
個別最適な学びと協働的な学びが充実する国語授業 -「論理」の発見と創造で楽しむ詩の学び-
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執筆者: 桂 聖
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単元名:マイ詩集をつくろう 教材:「きまったぜ」工藤直子(版画のはらうたⅣ/童話屋、2008年より) 授業者:桂 聖(筑波大学附属小学校教諭)
桂 聖先生による、工藤直子さんの詩「きまったぜ」の授業を公開します。これまでに自分のお気に入りの詩を選んで「マイ詩集」をつくってきた子どもたち。本時では、子どもたちが大好きな工藤直子さんの詩を取り上げ、「のはらうたクイズ」として穴あき箇所を考えました。かまきりりゅうじや詩に登場するものになりきって詩を読む姿はとても楽しそうです。また、新しい連を入れるとしたらどんな人物がどんな行動をするか考えて交流し、詩の場面設定や音の数、語尾の工夫などの詩のきまりも確認していきます。
目次
個別最適な学びと協働的な学びが充実するには、「学びの必然性」が不可欠です。これまでの授業では、教師が「コンテンツ」を教えるために、個や協働の学びを組織してきました。個や協働は、教師が「教えるための手段」です。ここには、子どもにとっての「学びの必然性」はありません。
しかし、資質・能力としての「コンピテンシー」を育成するには、子ども自らが「目的」をもって、個や協働で「調整」しながら学びを進めることが大切です。個や協働は、子どもの「学びの必然性」の中に位置付く「学びの手段」です。
「読むこと」の授業で言えば、「読み合うために読み直す」授業に加えて、「自分の作品をつくるために読み直す」(〈私〉の作品をつくる学び)など、個や協働の「学びの必然性」が伴う単元や授業を組織することも重要だと考えています。
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文学的文章の授業を展開するに当たって、授業者として大切にしていることは、学習者が「読み取ったことをもとに自身の考えを表現できるようにしていく」ということである。そこには、何のために表現するのかという「学びの目的意識」が必要である。そして、学習を通してどのような力が身に付いたのかということをとらえ、他の学びにも転用していけるような「学びの自覚化」につなげていくことが必要である。よって、単元の導入部分では、子どもがいかに学ぶことに対する「必要感」をもち、「目的意識」をもって学習を進められるようにできるのかを重視する。
4年 世界一美しいぼくの村 国語探究つくばゼミ 筑波大学附属小学校
今月の「5分でわかるシリーズ」は、伊藤怜香先生(新潟県・新発田市立住吉小学校)に、授業のはじめから、高いハードルの課題を提示するのではなく、「Which型課題」を用いて少しずつ自分なりの考え方を形成すること、また、「立体型板書」で友だちと考えを共有、整理することで、全員が参加できるようになる授業のつくり方をご提案いただきました。
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本教材「川とノリオ」は、太平洋戦争の時代を背景に、父の出征と戦死、母の広島での原爆死など、幼いノリオの経験する悲劇を描いた物語作品です。川の情景描写、登場人物の行動描写などから豊かに心情を読み取ることができる教材です。 今回は大矢直子先生(千葉県・浦安市立浦安小学校小学校)に、表現技法に着目して、子どもたちが読みを深め、広げるためには、どのような発問をすればよいのか、多くのアイデアをご提案いただきました。
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教材「春風をたどって」では、登場人物の気持ちを直接表す言葉はあまり出てきません。そのため、行動描写や会話文の一つひとつに着目し、複数の叙述と結び付けることを通して、登場人物の気持ちとその変化を想像する力が育むことができます。 今回は三浦 剛先生(東京学芸大学附属世田谷小学校)に、本教材の挿絵を入れ替えたり、本文には出てこない文を提示したりする仕掛けによって、叙述を意識できるように促すことで、低学年から中学年の物語文学習へと緩やかに接続する授業の工夫を、ご紹介いただきました。
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本教材「海のいのち」は、中心人物「太一」の心の成長と、海をめぐる生命について神秘的に描かれた情緒豊かな物語です。登場人物と太一の関係性、心情の変化は読み手の多様な解釈を生み、それを交流することでまた新たな読みにつながる、小学校最後の文学教材にふさわしい豊かな学習体験を与えてくれる教材です。 今回は流田先生(大阪市立堀川小学校)に、観点をもって叙述を整理し、交流することで読みを深める表現活動を提案いただきました。