子どもと創る「国語の授業」
「探究する国語授業」をデザインする
ー「5つの条件」と「10の裏側」ー
近年、様々なところで耳にする「探究」。このキーワードが学習指導要領に位置付けられたのは2008年、なんともう16年も前のことである。 大きな自然災害や世界中で猛威を振るった感染症など、想像もしていなかった様々な出来事が次々と起こり、変化の激しさを実感せざるを得ない現在では、「探究する国語授業」が自分の一番の研究テーマとなっている。 答えのない問題を解決しなければならない社会。このような社会で生きていく子どもたちは、「探究する学び」が必要であろう。授業後も学び続ける子ども、答えのない問題に向き合い粘り強く解決していこうとする子どもを育てていかなければならない。
子ども主体で「海の命」を読む
-光村図書・6年-
授業で物語を読む楽しさは、その作品のおもしろさや主題について語り合うことにあると考えています。そのような読み手を育むことを目指して、1年生から系統的に読み方を身につけさせています。また、近年は読み方だけではなく、自ら「問い」をもち、それを追究していく学習構想力や自己調整力を培うことも意識しています。 そこで、「海の命」(立松和平 作)を中心教材とした6年生の物語単元では、子どもたちが課題を挙げ、自分の解決したい課題を選択し、互いに交流しながら主題に迫っていくように構想しました。
「読み合い」で深めて書く紹介文
―2年・「町の『すてき』をつたえます」―
説明文には、記録文、紹介文、報告文などの種類があり、小学校の6年間で様々な文章を書く経験を積んでいきます。 では、紹介するためには、どのような表現が必要でしょうか。 紹介文を書くためには読者の反応に気づいたり想像したりすることが大切です。 子どもたちがお互いに「読み合う」活動を工夫することで、紹介文の書き方を意識できるような授業づくりを行います。
読後感から始まる国語科授業づくり②
-4年「ごんぎつね」-
「読後感をひとことで書く」ということで、全員分の読後感が可視化され、平等に扱われる。初発の感想のように長く書く必要もなく、文章を書くことを苦手と感じている子どもも抵抗なく取り組むことが可能となる。また、同じ教材であっても、読後感はそれぞれの子どもの実態によって変わってくるところもおもしろい。今回は、「ごんぎつね」の授業の実践を例にご紹介する。
リフレクション型国語科授業の展開
-問いを評価する、その授業展開-
リフレクション型国語科授業は、教師の「教え方」ではなく、子どもの「学び方」を中心とした授業展開です。「問い」をつくり、「問い」で読み合い、「問い」を評価することを1つのサイクルとして位置づけています。 前回は、物語「ごんぎつね」を例に、立てた問いでの読み合いに焦点を当てて、その授業展開を紹介しました。読み合いの授業の実際を具体的に、また、どのような単元計画となっているかを知っていただけたと思います。 今回は、「問い」を評価することに焦点を当てた授業展開の実際を紹介していきます。
サービス・ラーニングの国語授業
-1年説明文「つぼみ」の授業実践-
これまでの国語授業の問題点は、教室の中だけ、授業の中だけで、多くの国語のこれまでの国語授業の問題点は、教室の中だけ、授業の中だけで、多くの国語の学びが終わってしまっていることにあると考える。 これまでも第三次で本のポップを作ったり、調べたことや興味のあることを図鑑にまとめたりするなどの活動は行われてきた。 しかし、何のためにその活動をしているのかが子どもにとっては不明確なことが多く、活動に対して受動的な子がいたり、なかなか活動に参加できない子がいたりすることも少なくなかった。 そこで、地域の人のためになるようなオーセンティックな「目的」を設定し、国語で学習したことを「使う」場面(経験)を設定する、サービス・ラーニングを取り入れた授業づくりを行った。