基本を学び、活用できる力へ -低学年の説明文-
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執筆者: 加藤真理
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単元名:どうぶつのくらしについてよみとろう
教材:「だれが たべたのでしょう」(教育出版・1年)
教材「だれが たべたのでしょう」(教育出版・1年)は、既習教材「すずめのくらし」で学習した、説明文の基本となる「問い」と「答え」の関係を確かめたり、新たな視点を加えることで、より読める、わかることを実感できたりし、学習を楽しむことができます。
今回は、加藤真理先生(福島県・白河市立白河第二小学校)に、未熟な力(学習はしているが、まだ定着していない力)を繰り返し使う場面を設定することで、いつでも活用できる力として定着できるような授業づくりについて、ご提案いただきました。
目次
「国語が楽しい!」
子どもたちが、そう思える授業、そして国語の力が身に付く授業、そんな授業ができたらと、日々授業を考える。
1年生が初めて出合う説明文では、「問い」と「答え」を基本に、そこに加わる他の情報を正しく読み取り、理解する力を育てていくものであるが、それと同時に「楽しい国語」「わかる国語」を実感させることが、主体的な学習者を育むための大切な要素となる。
また、その力は、1つの授業で身に付いていくものではなく、授業で得た力を繰り返し使うという経験によって、身に付いていくものである。そのため、系統的に積み上げられるよう、前後の単元で、どのような力を身に付け、本単元のどの場面で活用させていくのか、新たな力を身に付けさせていくのかを明確にして構成していく必要がある。
そうして積み上がった力が、子どもたちの「読みの力」の基盤となり、「わかる」「できる」と、国語を楽しめる気持ちにつながっていくものになると思う。
新教材「宇宙への思い」は、宇宙そのものへの感想や気持ちが表れている箇所が実は少なく、宇宙での経験や研究(事実)を通して、地球や身近なことの未来をどのように考えたのか(願い)、について最後に述べられていることが特徴的です。 本教材について、田中元康先生(高知大学教育学部附属小学校教諭/高知大学教職大学院教授)に、文末と主語に着目して読み、著者の述べている考えと事実を整理していく学習活動について提案していただきました。根拠に基づいて自分なりにまとめるため、より友だちと考えを共有し、読み深めたくなるでしょう。
授業で物語を読む楽しさは、その作品のおもしろさや主題について語り合うことにあると考えています。そのような読み手を育むことを目指して、1年生から系統的に読み方を身につけさせています。また、近年は読み方だけではなく、自ら「問い」をもち、それを追究していく学習構想力や自己調整力を培うことも意識しています。 そこで、「海の命」(立松和平 作)を中心教材とした6年生の物語単元では、子どもたちが課題を挙げ、自分の解決したい課題を選択し、互いに交流しながら主題に迫っていくように構想しました。
第4回 国語授業アップデートセミナー 開催日:2024年12月26日(木) 09:00〜12:50 公開授業と2本の講座は必見!これからの授業づくりが楽しくなります。こくちーずよりお申し込みください。
今回の5分でわかるシリーズは、佐藤圭先生(東京都・足立区立千寿小学校)に、子どもが主体となる国語の授業をつくるために、押さえておきたい指導技術のアイデアについて、ご紹介いただきました。教師が「待つ」「聴く」「受け止める」から、子どもたちも同じようにふるまえるようになる、ということが大切ですね。
2025年春 NHK朝の連続テレビ小説のモデルで話題のやなせたかし氏について、本教材ではその生い立ちからアンパンマンに込めた思いまでを説明しています。筆者である梯久美子氏は、やなせ氏と親交のあったノンフィクション作家であり、その書きぶりは、事実を基にした書き手の視点と、やなせたかしの気持ちの変化を書き分けていることが特徴的です。 今回は安井 望先生(神奈川県・横須賀市立夏島小学校)に、本教材の授業づくりにおいて、自分ならどこが一番重要な場面であると考えるのか、色紙にまとめることをゴールに、目的意識と主体的な読みが育まれるような仕掛けをご提案いただきました。
今回は松岡 整先生(高知大学附属小学校)に、本文との出合いを工夫し、新しい事柄と自身との認識のずれを生みだすことで、より主体的で探究的な読みが進むといった、当事者意識から深まる授業づくりの工夫をご紹介いただきました。