
「はるねこ」 —登場人物のしたことや気持ちに気をつけて読もう-
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執筆者: 柘植 遼平
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新教材「はるねこ」は、「あや」のもとに手紙が届く場面から物語は始まり、「はるねこ」との不思議な出来事の回想場面をはさんで、現在の場面に戻ってくる額縁構造となっています。小学校で二度目の春を迎える2年生にとって、春の訪れについて、想像が膨らみワクワクするようなファンタジー作品です。
今回は柘植遼平先生(昭和学院小学校)に、会話文から登場人物の気持ちや様子を想像する力を育むために、リーダー「…」の部分に着目したり、登場人物の気持ちをふまえて音読の仕方を考えたりする学習活動をご提案いただきました。
本学習材は、「あや」と「はるねこ」の2人の会話がベースとなって物語が進んでいく。
今までにも「」(かぎ括弧)で示した会話文は出てきているが、ここまで多くのかぎ括弧が登場する学習材は初めてとなる。
そこで、誰が話している言葉であるのか、一つひとつを丁寧に読み取っていくことで、後述の「登場人物」の学習へとつなげていきたい。
本学習材は、2年生初めての物語文である。
この物語文では、登場人物は女の子と言葉をしゃべる猫の2人いることがはっきりしている。子どもたちは、これまでにも動物が出てくる学習材で学んできているので、違和感なく読むことができる。しかし、読むことはできるが、きちんと「登場人物」として自覚していない子どもも多い段階である。「登場人物」という言葉は、お話に出てくる「人」のことを指し、人間だけなく動物の場合もあることを、教科書の記述を活用して伝えていきたい。
また本学習材は、時を表す表現に着目して分けていくと、
という5つの場面で構成されている。中でも、③の回想の部分が中心となっている。この構成について、教科書では、行間が空けられわかりやすいように書かれてはいるが、2年生で気づくのは難しい。
そこで、「きょねん」「きらきらこもれ日のゆれるはるの日」「きょねんの今ごろ」「一年まえ」などに着目させ、時間の経過を把握することで、時を表す言葉の大切さも指導事項として押さえたい。
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