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    単元の構成を子どもに選択させる授業づくり

    ホーム / 単元の構成を子どもに選択させる授業づくり

    単元の構成を子どもに選択させる授業づくり

    執筆者: 柘植 遼平

    |

    2023年9月21日

    単元名:順序や様子に気をつけて読もう 教材:「さけが大きくなるまで」(教育出版/2年) 「さけが大きくなるまで」の授業づくりを紹介します。
    本教材はさけの成長が時系列に沿って書かれており、子どもたちも興味をもちやすい説明文です。2年生の子どもたちにも、自ら学びの目的意識をもって学ぶ順番を選択させることで、「個別最適な学び」「協働的な学び」の素地をつくっていきます。
    今回は、柘植遼平先生(昭和学院小学校)に子どもに委ねる授業づくりについてご提案いただきました。

    1.個別最適な学びと協働的な学びのための素地づくり

    「個別最適な学習」と「協働的な学習」が言われるようになって久しい。しかし、どのように取り組んでいくべきかまだまだ模索段階にある。特に低学年においては、説明文・物語文共に、自力学習していくための引き出しが少ない。そのような中で、ただ子どもたちに委ねてしまうと、それは丸投げであり学習とは言えない。一人ひとりが目的意識をもち、解決策を考えた上で委ねられることが「個別最適な学習」と「協働的な学習」に一歩近づく授業だといえる。

    そこで、そのための素地づくりとして本教材を活用したい。
    2年生では、「問い」「答え」や「はじめ・中・おわり」、「形式段落」などは既習として活用することができる。それらを活かしながら子どもたちが目的意識をもち、解決策を選び、それに委ねるような単元にしたい。
    ただ、全てを子どもたちに委ねるのは、低学年には難しい。一斉授業の形を取りながら子どもたちと相談をし、単元の構成を作っていきたい。そこで子どもたちが学ぶ順番を選択する単元としたい。

    ≪既習を活かしつつ、選択型の単元構成で学び方を学んでいく≫

    【感想の分類】

    今までに取り組んできた初発の感想を書くことやその感想を交流することは、学習のスタートとして子どもたちが安心して取り組みやすいのでそのまま活用したい。
    感想を交流する際に、板書やICTを活用して分類をしていく。低学年でも、「初めて知った」「もっと知りたい」「思ったこと」の3種類程度の分類であれば自分の感想を客観的に整理することができる。

    【既習の追求】

    感想を分類していく中で「問い」「答え」や「はじめ・中・おわり」について出てくると、必ずズレが生まれる。まずは、これらのズレを解決していきたい。今までの学習と同じ流れではあるが、どれから解決していきたいかを子どもたちに選択させる(委ねる)。選択させると時間がかかってしまったり、行き詰まってしまったりすることもあると思う。しかし、素地をつくる学習だからこそ時間をかけて実施したいし、上手くいかなくても構わない。それら一つひとつの経験が素地となって次の学習へとつながっていくのである。

    2.単元について

    2-1. 教材について

    本教材は2年生になって二つ目の説明文である。一つ目の「すみれとあり」では、順序に気を付けて読んだり、つながりを見つけたりする学習をしている。この既習を活かし学び方を選択学習していくことの楽しさを感じさせたい。

    本教材はさけがどうやって卵を産むのか、生まれてから多くの困難に出会いながらどのように成長していくのかが時系列に沿って書かれている。子どもたちが日頃、身近でみている「鮭(サーモン)」について初めて知る内容も多く、内容に興味を抱きやすい教材となっている。文章構成としては、10段落で書かれており、最初に提示された「どこで生まれ、どのようにして大きくなったのでしょう」という「問い」について追求してく形となっている。
    その中で、「時間を表す言葉」「場所を表す言葉」「大きさを表す言葉」に気がついていくことが指導事項として挙げられる。また、資料(写真)の効果についても2年生なりに考えていくことが3年生での学習へとつながっていくので、本文(テキストのみ)を配って行う。

    2-2. 単元の目標

    〔知識及び技能〕

    共通、相違、事柄の順序などの情報と情報との関係について理解することができる。⑵ア

    〔思考力、判断力、表現力等〕

    時間的な順序や事柄の順序などを考えながら、内容の大体を捉えることができる。C(1)ア

    〔学びに向かう力、人間性等〕

    さけの生態に興味をもち、大きさなどを具体的に想像しながら自ら進んで読もうとしている。

    時間や場所、大きさを表す言葉に気をつけながら読もうとしている。

    2-3. 単元計画(全10時間)

    ※10時間目は生活科として行う。 

    第一次 学習計画づくり(第1・2時)
    • 初発の感想を書き、交流する。
    • 感想を3つに分類し、「感想で出た疑問(もっと知りたいこと)」、「はじめ・中・終わり」、「答え」のどれから解決していくかを決め、そのために何に着目していくか選択する(みんなで一つの順番を決める)。
    • 学習した内容を後に自分でまとめることを伝える。
    第二次 選択した順に取り組んでいく(第3~9時)
    • 3-1〜3-3.「時間を表す言葉」「場所を表す言葉」「大きさを表す言葉」を子どもたちが選択した順に取り組む(この中で意味段落という用語を指導事項として教える)。
    • 3-4.秋から春のさけの成長を整理して、見出しをつける。
    • 3-5.説明文には資料(写真)があると効果的だということを体感する(指導事項として教える)。
    • 3-6.段落と資料(写真)とのつながりを考える。資料(写真)の効果を考える。
    • 3-7.自分なりに学習したことをまとめる。
    第三次 解決しなかった疑問を追求する(第10時)※生活科
    • 本文の学習だけでは解決しなかった疑問を本やタブレットを活用し追求する。

    3.授業の実際(第3〜5時・第9時)

    初発の感想を交流する際に、「時」「場所」「大きさ」の3つのキーワードをおさえておく。私の学級の場合は、「はじめ、中、終わり」「初発の疑問」「答え」の順で解決していきたいと決まった。その上で、「時間を表す言葉」「大きさを表す言葉」「場所を表す言葉」の順で取り組むことを子どもたちは選択し、その流れで取り組んでいった。

    3-1.「時間を表す言葉」

    第3時 板書
    • 選択した流れでスタートする時間なので学習の計画(流れ)を確認するところからスタートした。
    • 「時間を表す言葉」は、既習であることから、言葉を探しやすくこの時点でぼんやりと意味段落が見えてきた。
    • 意味段落は3時間のどこかで見えてくるといいので、深追いをせずぼんやりとイメージをもつ程度にとどめていた。

    3-2.「大きさを表す言葉」

    第4時 板書
    • 大きさを表す言葉も子どもたちには探しやすかった。
    • 「大きくなって」などの言葉から「大きさがはっきりとわからない」と出てきた。「どのくらいだと思う?」とそのまま問い返すと、「周りの文からだいだい分かる」「この段落はもう大人の魚だよ」などと声が上がった。子どもたちの言葉から大人、子ども、小魚などの表現を用いて表した。

    3-3.「場所を表す言葉」

    第5時 板書
    • 活動も3回目となると、発問をせずとも「場所」にまつわる言葉探しを自発的に行う子が増えてくる。やり方がわかると、個別最適につながる学習を子どもたち自ら行えるようになっていく。さらに、見つけ終わったり迷ったりしている子たちは、近くの子に聞いて確かめたり、教え合ったり、一緒に考えたりと、協働的な学習をはじめていく。素地作りの学習としてそれらの様子を大いに価値づけて行った。
    • 子どもたちの考えをもとに、意味段落という用語を指導事項としておさえた。
    • ここまでの学習では、「はじめ・中・終わり」を考えてきていたが、突き止めたい課題の一つであった「答え」についても見えてきた。そこで「答え」についても追求して行った。

    3-4. 自分なりに学習したことをまとめる

    • まとめ方については、以下の3つを提示した。
    1. 表にまとめる
    2. 絵を入れてまとめる
    3. 言葉を中心に図にしてまとめる

    1)は実際の枠を見せ、2)3)は簡単な見本を提示し、選択できるようにした。

    • 「時間を表す言葉」「大きさを表す言葉」「場所を表す言葉」の3つを入れることを確認した。
    • 一定時間経っても迷ったり、困ったりしている子は、既習である表を使う方法でやるように促した。
      以下は、子どもが表にまとめた例 色の工夫など自分なりのまとめをそれぞれが行った。

    形式段落の番号を書くことは、子どもたちの話の中から出てきた。

    自分なりに図にまとめた。大切な言葉を探し出したり、また、川に戻ってくる様子を線を使った図や円の形で表現したりすることができるなど、自分でノートを創る活動となった。

    • これまでの学習で、まとめるのに必要な材料は集まっていたので、進んで学習ができた。
    • 自分が選択したものを仕上げる活動は、本文を読み直す必要感が高くなり、教科書とノートを行ったり来たりしながらまとめる姿が多く見られた。

    4. まとめ

    低学年は、自力学習していくための引き出しがまだまだ少ない。その中で、子ども一人ひとりが目的意識をもつことができるか、解決策を自分で考えることができるかについて重きを置いて考えてきた。本単元では、全てを委ねるのではなく、学ぶ順番を子どもたちが選択するという構成をとった。この形にすることで、おさえたかった指導事項をきちんと踏まえることができた。 低学年において、委ねる場面をつくっていく場合は、教師の側である程度レールを決めておくと子どもたちも取り組みやすいし、教師も見通しをもって行いやすい。また、委ねる授業を創っていくには、一つの説明文のみで単元を構成するのではなく、次単元を見据え、系統立てながら取り組んでいくことが課題となる。その際には、単元を通して何を指導したいのか、何を委ねたいのか、それぞれの時間の目標は何か? 子どもたちは何をしたいと思うのか? などを教師がはっきりと意識することが大切であり、そのための教材分析、授業研究が今まで以上に欠かせないと感じた。

    柘植 遼平(つげ・りょうへい)

    昭和学院小学校 

    全国国語授業研究会理事/日本国語教育学会会員

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