「ごんぎつね」-思いつきの感想の交流からの脱却-
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執筆者: 田中 元康
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単元名:読んで考えたことを伝え合おう
教材:「ごんぎつね」(東京書籍ほか各社 4年)
「ごんぎつね」の授業づくりを紹介します。
本教材は各社の教科書に掲載されている定番教材です。登場人物である「ごん」と「兵十」の行動から、心情の変化を読み取ることができます。今回は、田中元康先生(高知大学教育学部附属小学校教諭/高知大学教職大学院教授)に、ごんと兵十二人の関係性に着目し、距離を読むことで、子どもたち自身が考えや感想をもって交流し合う授業づくりについてご提案いただきました。
「ごんぎつね」は各社の教科書に掲載されている。
東京書籍では指導事項として、「『読むこと』において、文章を読んで理解したことに基づいて、感想や考えをもっている。Cオ(考えの形成)」が示されている。
単元では、作品を読み、記述から場面の移り変わりや登場人物の心情の変化の様子を想像し、感想をもつという学習過程が考えられ、「読んだ感想を友達と伝え合う」ことを単元のゴールとして学習を行っていくようになる。
ここで示されている「感想や考えをもつ」ために、教師はどのような働きかけを行えばよいだろうか。
例えば、「どのような感想をもちましたか」という発問をして、一人の子どもの感想をきっかけに多くの子どもの感想を引き出す授業を行うことも考えられる。しかし、幅広い答えが返ってくる発問を行えば、はたして、子どもが教室で一緒に作品を読み、考えを交流し、感想をもち合うことにつながるのか、とも思う。
そこで今回、「ごんぎつね」でのごんと兵十の関係に着目し、二人の距離を読むという授業を考えた。以下の図1を見てもらいたい。
新教材「ぼくのブック・ウーマン」は、英米文学作家ヘザー・ヘンソン作、原題”THAT BOOK WOMAN”を日本語訳にした物語文教材です。原題が"MY"や”OWN”ではなく”THAT”であることから、藤原宏之訳の「ぼくの」とは、「それこそが『ぼくにとっての』ブック・ウーマン」といった、中心人物カルの印象を強調して表す意図があるのではないのでしょうか。今回は長屋樹廣先生(北海道・釧路市立中央小学校)に、中心人物カルの一人称視点から描かれる、ブック・ウーマンと本に対する捉え方がどのように変容しているのか、叙述に基づきながら丁寧に整理し、意見を交わし合うことで協働的に学び合える活動、「ミニ読書座談会」についてご紹介いただきました。
今回は三笠啓司先生(大阪教育大学附属池田小学校)に、物語文の学習で、登場人物が出合った出来事を実際に疑似体験することで、登場人物の心情の揺れ動きを実感を伴って理解することができる、「共感読み」を取り入れた授業づくりをご提案いただきました。共感読みから生まれた自分なりの問いを全体で共有することで、子どもたちが「考えたい問い」が立ち上がり、子どもたちと一緒に単元をつくることができます。
新教材「ロボット」は、「問い」と「答え」、「まとめ」がわかりやすく段落で分けられており、説明文の基本的な3部構成を確かめることのできる教材です。今回は小島美和先生(東京都・杉並区立桃井第五小学校)に、この説明文の3部構成をしっかりと押さえつつ、「問い」の「答え」となる事例の紹介のされ方や順序に意識が向くようになる、問いかけの工夫についてご紹介いただきました。
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「想像力のスイッチを入れよう」の授業づくりを紹介します。本教材は、SNSが拡大する現代において、情報を適切に吟味したり、違う視点から考慮したりする大切さを伝え、これからの社会を生きる子どもたちにとって重要な情報リテラシーについて考えることができる教材です。 今回は藤田伸一先生(神奈川県・川崎市立中原小学校)に、問いかけやゆさぶり発問の工夫によって、子どもの読みたい意欲を引き出す授業づくりについてご提案いただきました。