「ごんぎつね」 -思いつきの感想の交流からの脱却-
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執筆者: 田中 元康
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単元名:読んで考えたことを伝え合おう
教材:「ごんぎつね」(東京書籍ほか各社 4年)
「ごんぎつね」の授業づくりを紹介します。
本教材は各社の教科書に掲載されている定番教材です。登場人物である「ごん」と「兵十」の行動から、心情の変化を読み取ることができます。今回は、田中元康先生(高知大学教育学部附属小学校教諭/高知大学教職大学院教授)に、ごんと兵十二人の関係性に着目し、距離を読むことで、子どもたち自身が考えや感想をもって交流し合う授業づくりについてご提案いただきました。
目次
「ごんぎつね」は各社の教科書に掲載されている。
東京書籍では指導事項として、「『読むこと』において、文章を読んで理解したことに基づいて、感想や考えをもっている。Cオ(考えの形成)」が示されている。
単元では、作品を読み、記述から場面の移り変わりや登場人物の心情の変化の様子を想像し、感想をもつという学習過程が考えられ、「読んだ感想を友達と伝え合う」ことを単元のゴールとして学習を行っていくようになる。
ここで示されている「感想や考えをもつ」ために、教師はどのような働きかけを行えばよいだろうか。
例えば、「どのような感想をもちましたか」という発問をして、一人の子どもの感想をきっかけに多くの子どもの感想を引き出す授業を行うことも考えられる。しかし、幅広い答えが返ってくる発問を行えば、はたして、子どもが教室で一緒に作品を読み、考えを交流し、感想をもち合うことにつながるのか、とも思う。
そこで今回、「ごんぎつね」でのごんと兵十の関係に着目し、二人の距離を読むという授業を考えた。以下の図1を見てもらいたい。
新教材「宇宙への思い」は、宇宙そのものへの感想や気持ちが表れている箇所が実は少なく、宇宙での経験や研究(事実)を通して、地球や身近なことの未来をどのように考えたのか(願い)、について最後に述べられていることが特徴的です。 本教材について、田中元康先生(高知大学教育学部附属小学校教諭/高知大学教職大学院教授)に、文末と主語に着目して読み、著者の述べている考えと事実を整理していく学習活動について提案していただきました。根拠に基づいて自分なりにまとめるため、より友だちと考えを共有し、読み深めたくなるでしょう。
授業で物語を読む楽しさは、その作品のおもしろさや主題について語り合うことにあると考えています。そのような読み手を育むことを目指して、1年生から系統的に読み方を身につけさせています。また、近年は読み方だけではなく、自ら「問い」をもち、それを追究していく学習構想力や自己調整力を培うことも意識しています。 そこで、「海の命」(立松和平 作)を中心教材とした6年生の物語単元では、子どもたちが課題を挙げ、自分の解決したい課題を選択し、互いに交流しながら主題に迫っていくように構想しました。
第4回 国語授業アップデートセミナー 開催日:2024年12月26日(木) 09:00〜12:50 公開授業と2本の講座は必見!これからの授業づくりが楽しくなります。こくちーずよりお申し込みください。
今回の5分でわかるシリーズは、佐藤圭先生(東京都・足立区立千寿小学校)に、子どもが主体となる国語の授業をつくるために、押さえておきたい指導技術のアイデアについて、ご紹介いただきました。教師が「待つ」「聴く」「受け止める」から、子どもたちも同じようにふるまえるようになる、ということが大切ですね。
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