コンテンツに進む

カートは空です

TOPへ戻る

アカウントをお持ちですか?

ログインすることで、チェックアウトがスピーディーに行えます。

あなたのカート

読み込み中…

キャンセル返金不可

小計

¥0 JPY

税込み価格です
カートを見る
  • 国語探究つくばゼミ
  • 明日から実践!先取り授業
  • 5分でわかるシリーズ
  • つくば授業参観
  • 新教材の授業づくり
  • 教師の必読書
  • お悩み相談室
ログイン
    子どもと創る「国語の授業」web
    • 国語探究つくばゼミ
    • 明日から実践!先取り授業
    • 5分でわかるシリーズ
    • つくば授業参観
    • 新教材の授業づくり
    • 教師の必読書
    • お悩み相談室
    カート
    00個のアイテム
    ログイン

    5分で分かる指導技術 子どもの理解を促進する動作化のスキル

    ホーム / 5分で分かる指導技術 子どもの理解を促進する動作化のスキル

    5分でわかる指導技術 子どもの理解を促進する動作化のスキル

    執筆者: 小崎 景綱

    |

    2023年11月23日

    今月の5分で分かるシリーズは、子どもの理解を促進する動作化のスキルについて、小崎景綱先生(さいたま市立浦和別所小学校)に提案していただきます。
    叙述を動作化することで、場面の様子や情景はもちろん、登場人物の気持ちや心情の変化にも気付きやすくなり、読解に支援が必要な子どもたちにとっての手だてにもなります。
    どのような動作化が考えられるのか、定番教材を例に挙げて考えていきましょう。

    1.低学年での読解につながる動作化や劇化

    読み取りが難しい―。音読はできているのに、精査解釈のレベルの読みに進むことができない―。国語授業の中で、子どもも教師もそんな困り感をもっている場面はよく見られます。中学年では、情景や複雑な感情が読解の対象となり、高学年では、中心人物のものの見方や生き方、主題など、より抽象的なものを読む力が要求されます。

    子どもの実態と合わない授業展開や言語活動をすれば、国語を熱心に研究している教師が最も避けたい「国語嫌いな小学生」を生みかねません。では、具体的にはどのような手だてがあるのでしょうか。様々な方法がありますが、私からは「動作化」や「劇化」について提案します。

    2.低学年では人物の行動を基に読み取る

    発達段階に合わせて、本文から人物の様子を想像する方法が変わっていきます。小学校学習指導要領(平成29年告示)解説国語編にも、しっかりと記述されています。一部を引用します。

     C読むこと (1)構造と内容の把握 イ

    第1学年及び第2学年
    場面の様子や登場人物の行動など,内容の大体を捉えること。

    小学校1・2年生にとって、自分が「したこと」以外の状況を想像することは、往々にして難しいものです。言葉としては、「うれしい」「悲しい」と言えていても、実感を伴った想像にはなっていないことが予想されます。そこで、登場人物の行動、「したこと」を実際に行ってみる、疑似体験することで想像を促します。

    2-1.実践例1「大きなかぶ」

    「大きなかぶ」(1年)で音読をしたり、動作化や劇化をしたりすることで、内容の把握を促す実践がよく見られるのはこのためです。体を動かして、友達と一緒に引っぱるような動作をする中で、「力を合わせる大切さ」や「抜けた時のうれしさ」を体感し、「うんとこしょ、どっこいしょ」の言い方の変化などに気付くことができます。そこから、「ところが」「それでも」「まだまだ」などのつなぎ言葉の効果にも気付き、国語の読みの世界にも入っていくことができます。

    2-2.実践例2「スイミー」

    「スイミー」(1または2年)では、スイミーが海のすばらしいものにたくさん会う場面を実際に動いて味わってみたり、岩陰にいた赤い魚の兄弟たちにしたスイミーの提案を、クラスみんなで再現したりすることができます。また、「スイミーはかんがえた。いろいろかんがえた。うんとかんがえた。それから、とつぜん、スイミーはさけんだ。・・・・・・」という場面も、体を動かすことで、何をこんなに考えたのか、という問いをもたせ、読みの世界に引き込むことができると考えます。

    3.中学年でも支援となる動作化

    低学年で身に付けた、行動を基に大体の内容を把握する力が定着して、初めて以下の段階に進みます。 

    第3学年及び第4学

    登場人物の行動や気持ちなどについて,叙述を基に捉えること。

    第5学年及び第6学年

    登場人物の相互関係や心情などについて,描写を基に捉えること。

    しかし、現場では、全ての子どもが順調にスキルアップしているわけではありません。子どもの発達段階やそれぞれの習熟が、グラデーションになっているのが現実です。叙述を基に登場人物の行動や気持ちを想像できない、そんな3・4年生にどんな支援をすればよいのか。 ここでも、低学年で行った動作化がその方法の1つになると思います。

    3-1.実践例3「ごんぎつね」

    「ごんぎつね」(4年)の2つの文を例に考えてみます。

    雨が上がると、ごんは、ほっとしてあなからはい出ました。空はからっと晴れていて、 もずの声がきんきんひびいていました。

    2、3日の雨の間、ごんは穴から出られず一人ぼっちでしゃがんでいた、その後の文です。4年生の子どもたちの多くは、実際にしゃがむ行動を取らずとも、このときのごんの気持ちが想像できます。そのような状況から、「からっと晴れた空」を見たときのごんの気持ちも想像できます。もちろん、叙述を読むだけでは理解が難しいという子どもの実態がある場合には、実際に机の下に、2、3分じっとさせてから、立ち上がって背伸びをしてみるのもよいでしょう。

    「空はからっと晴れています」と投げかけ、もずの声をインターネットで検索して聞かせてみましょう。子どもたちは、「やっと出られた」「解放された感じ」「よっしゃー!」などと言い、この時のごんの気持ちを想像できるはずです。同時に、「情景」から心情を読み取るという考え方も習得できます。この開放感が、兵十へのウナギのいたずらにつながります。

    次は、兵十と加助がお念仏をすませ、吉兵衛の家から帰る場面です。

    ごんは、二人の話を聞こうと思って、ついていきました。兵十のかげぼうしをふみふみ 行きました。

    この場面でのごんの気持ちは、その後の「引き合わないなあ」という言葉や、最後にごんの思いが兵十に通じると同時に死を迎えてしまう、それも兵十の手によって、という悲劇的な場面に深くつながっています。

    「かげぼうしをふみふみってどういうこと?」という問いを子どもにもたせ、動作化してみると、ごんが兵十と加助の話をかなり近い距離で聞こうとしていることが分かります。
    「これは、近いね!」「見つかったらひどい目に遭うはずなのに、どうしてだろう」「そんなに話が聞きたかったのかな」などと、ごんの気持ちにぐっと迫ることができます。

    4.高学年でも支援となる動作化

    「大造じいさんとガン」(5年)でも、動作化によって、心情を想像するのが難しい子どもを支援できるポイントがたくさんあります。

    2年目の小屋の中での場面です。

    夜の間に、えさ場より少しはなれた所に小さな小屋を作って―
    あかつきの光が、小屋の中にすがすがしく流れ込んできました。

    その動きを再現してみると、残雪が引き返した時の、じいさんの何とも言えないがっかり感が想像できるのではないでしょうか。

    「海の命」(6年)では、クエに出会った場面で、太一の心情の変化を読み取ることが、単元の肝となります。そこでの読解が難しい場合も、動作化が有効になります。
    潜っているところにクエを見つけた太一は、一度息継ぎをし、もう一度潜ります。

    太一は永遠にここにいられるような気さえした。しかし息が苦しくなって、またうかんでいく。―背の主は全く動こうとはせずに太一を見ていた。おだやかな目だった。

    最後の山場の場面ですが、これも体を動かすことで、太一の興奮と冷静さ、クエの様子を見た太一の心情に迫る支援になります。

    5.最後に

    細かい教材分析や授業実践については、様々な著書を見れば、たくさん見つけることができますが、低学年での基本的な読解の手だてである動作化を、その後の読みの武器にもしっかりと使うことで、読解が苦手な子どもにも、理解を促し、精査解釈の世界に呼び込める可能性が増します。また、文学的な文章に限らず、説明的な文章でも動作化は有効に働き得ます。

    子どもの実態に合わせた授業を行うことは、子どもにとっても教師にとっても余計なストレスを排除し、本当に必要な負荷を得ることにつながります。目の前の子どもたちに力を付け、国語の楽しさを味わえる授業をこれからも模索していきたいものです。

    〔引用・参考文献〕

    『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説国語編』文部科学省

    小崎 景綱(おざき・かげつな)

    埼玉県・さいたま市立浦和別所小学校

    「子どもの論理」で創る国語授業研究会会員

    ← 戻る

    おすすめ記事

    たんぽぽ

      有料記事

      「たんぽぽ」

      -国語科の学びと子どもの意欲のバランスを意識した授業づくり-

      本教材「たんぽぽ」について、後藤竜也先生(東京都・調布市立八雲台小学校)に、子どもたちが楽しいと思う、たんぽぽについての内容を大切にしながらも、時間や順序に関する書かれ方に気づけるよう、たんぽぽの特徴への関心から考えが広がっていくようにする、授業づくりについてご提案いただきました。

      詳しく読む

      2年 たんぽぽ 明日から実践!先取り授業

      2025年5月15日
      「インターネットは冒険だ」の授業づくり

        有料記事

        「インターネットは冒険だ」の授業づくり

        今回は中野裕己先生(新潟大学附属新潟小学校)に、子どもたちが本教材を読んだとき、どのように感じ、考えるのかを想定した教材研究を行い、自分なりの考えで文章の構造を捉えられるようにするための、ファシリテートの方法についてご提案いただきました。

        詳しく読む

        5年 インターネットは冒険だ 新教材

        2025年5月15日
         Q 「話すこと・聞くこと」の学習評価のポイントは(中学校)?

          有料記事

          Q 「話すこと・聞くこと」の学習評価のポイントは(中学校)?

          作文やノート、ワークシートなどに文字言語として表すもので評価する「書くこと」や「読むこと」とちがって、音声言語を対象とする「話すこと・聞くこと」は評価の方法やタイミングに悩むところです。 今回は、「話すこと・聞くこと」の評価を、教師にとって現実的で、生徒にとってわかりやすいものとするためにはどのように考えたらよいのか、田中元康先生(高知大学教育学部附属小学校)に回答いただきました。

          詳しく読む

          お悩み相談室 新コーナー2025 評価 話すこと・聞くこと

          2025年5月15日
          「紙ひこうき、きみへ」 -作品世界を読み描いて交流しよう-

            有料記事

            「紙ひこうき、きみへ」

            -作品世界を読み描いて交流しよう-

            本教材「紙ひこうき、きみへ」は、しまりすのキリリが経験する、旅を楽しむみけりすミークとの出会いと別れ、変わりゆくことを受け入れたどこか達観した彼の言動について、キリリの気持ちを想像しながら本文を読むことを通して、読者も心揺さぶられる物語となっています。 今回は山本真司先生(南山大学附属小学校)に、作品世界について想像し、自分なりの解釈を形成できるよう、他者との交流を通して、場面ごとの精査・解釈を共有し深める授業づくりをご提案いただきました。

            詳しく読む

            3年 新教材 紙ひこうき、きみへ

            2025年5月8日
            「探究する国語授業」をデザインする  —「5つの条件」と「10の裏側」-

              有料記事

              「探究する国語授業」をデザインする

              —「5つの条件」と「10の裏側」-

              変化の激しい現代の社会、これから子どもたちが生きていく予測困難な時代においては、知識や技能だけでは到底太刀打ちできない。答えのない問題を解決するためには、知識を集め、技能を活用し、学び、想像し、戦略を立て、多面的に物事を見て、批判的に思考し、よりよく判断する、などといった「知性」が必要であろう。 このような知性は、教師が教え込むことができない。言い換えると、授業が教室の中だけで完結してしまっては育たない。教室で学んだ国語の学びを、答えのない問題であふれる実際の地域社会へ出て、誰かのため、社会のために、試行錯誤しながら実際に「使う」。 そんな経験をしてこそ、知性は育まれるのではないかと考える。

              詳しく読む

              国語探究つくばゼミ 筑波大学附属小学校

              2025年5月8日
              Q 子どもが読みたくなる教材との出合わせ方とは?

                有料記事

                Q 教材との効果的な出合わせ方とは?

                たとえ教科書の順番通りに授業を行うとしても、教材ごとに最初の出合い方を一工夫するだけで、子どもたちの「読みたい!」「知りたい!」「なんでだろう?」という教材に向かう姿勢は変わってきます。 今回は、迎有果先生(筑波大学附属小学部)に、主体的な読みにつながるための教材との出会い方を回答いただきました。

                詳しく読む

                お悩み相談室 新コーナー2025 要旨と要約

                2025年5月1日
                カテゴリー
                • 国語探究つくばゼミ
                • 明日から実践!先取り授業
                • 5分でわかるシリーズ
                • つくば授業参観
                • 新教材の授業づくり
                • 教師の必読書
                • お悩み相談室
                学年で絞り込む
                • 1年
                • 2年
                • 3年
                • 4年
                • 5年
                • 6年
                教材で絞り込む
                • ヒロシマのうた
                • 平和のとりでを築く
                • スイミー
                • つり橋わたれ
                • ごんぎつね
                • じどう車くらべ
                • はたらくじどう車
                • いろいろなふね
                • 固有種が教えてくれること
                • モチモチの木
                • どうぶつ園のじゅうい
                • 帰り道
                • こまを楽しむ
                • 言葉で遊ぼう
                • 白いぼうし
                • さとうとしお
                • 世界にほこる和紙
                • 『鳥獣戯画』を読む
                • たぬきの糸車
                • すがたをかえる大豆
                • プラタナスの木
                • さけが大きくなるまで
                • たんぽぽのちえ
                • きまったぜ
                • ウナギのなぞを追って
                • 大造じいさんとガン
                • 馬のおもちゃの作り方
                • くらしの中の和と洋
                • スーホの白い馬
                • 和の文化を受け継ぐ
                • ありの行列
                • 海の命
                • どうぶつの赤ちゃん
                • おにごっこ
                • お手紙

                運営会社:東洋館出版社

                • 特定商取引法について
                • プライバシーポリシー
                • 利用規約
                • お問い合わせ
                • よくあるお問い合わせ
                • 決済と解約について
                © 2025, 子どもと創る「国語の授業」web
                • 選択結果を選ぶと、ページが全面的に更新されます。