「紙ひこうき、きみへ」 -作品世界を読み描いて交流しよう-
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執筆者: 山本 真司
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単元名:物語のせかいをそうぞうしよう
教材:「紙ひこうき、きみへ」(教育出版・3年)
本教材「紙ひこうき、きみへ」は、しまりすのキリリが経験する、旅を楽しむみけりすミークとの出会いと別れ、変わりゆくことを受け入れたどこか達観した彼の言動について、キリリの気持ちを想像しながら本文を読むことを通して、読者も心揺さぶられる物語となっています。
今回は山本真司先生(南山大学附属小学校)に、作品世界について想像し、自分なりの解釈を形成できるよう、他者との交流を通して、場面ごとの精査・解釈を共有し深める授業づくりをご提案いただきました。
目次
しまりすのキリリが、みけりすのミークと出会うことで心をゆさぶられていく物語。
中心人物は、キリリ。語り手もキリリに寄り添い、時にはキリリになりきって話を展開させていく。そのため、読者である子どもたちは、キリリの思いを味わいながら読み進めていくだろう。
お話は、キリリの頭に青い紙ひこうきが当たったことから動き出す。その紙ひこうきを出したのが、旅することが好きなみけりすのミーク(対人物)である。2人は、意気投合してごはんを食べたり、月をいっしょに眺めたりして仲よく過ごす。しかし、ある日、ミークはまた旅に出ることをキリリに告げる。そして、空を紙のように切り取ることのできる不思議なはさみをキリリに渡して去っていく。残されたキリリは、ミークに会いたい気持ちでいっぱいだけれど、ミークの「また会おう」と書かれた紙ひこうきを見つけて歩き出す。
出会いと別れに際してのキリリの微妙な気持ちの変化について考え、思いを交流することが、本作品の特質を生かした味わい方となるだろう。
