「スイミー」-子どもの追究意識に寄り添った展開を-
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執筆者: 山本 真司
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単元名:いろいろ考えよう うんと考えよう「スイミーのすごさ」
教材:「スイミー」(光村図書 2年)
「子どもが主体的に読み込んで考えを深めていく姿」を実現させることは多くの先生方の願いである一方で、簡単なことではありません。今回は、山本真司先生(愛知県・南山大学附属小学校)に「スイミー」を教材に、子どものもった疑問や考えに寄り添い、子どもたちの声をつなぎながら展開していく授業を提案していただきました。子ども同士のやりとりが具体的で、授業づくりの参考になること間違いなしです。
「子どもが主体的に読み込んで考えを深めていく姿」を実現したいと考えている先生方も少なくないことでしょう。とはいえ、現実的には、教科書や指導すべき事柄があり、30人もの多様な子どもたちに学習を与えていくわけです。そんな中、子どもの主体性を発揮させようというのですから、授業づくりは簡単ではありません。
そこで今回は、2年生「スイミー」(光村図書)を教材文に、できるだけ子どもの素朴な思いに寄り添い、子ども同士の声をつなぎながら展開していく授業について提案します。
初めて教材文を読んだ子どもたちは、「スイミーってすごいな」といった感想をもつことでしょう。その感想を生かし、単元を通じて「スイミーのすごさって何?」を追究していくことに決めます。そして、子どもの素朴な気付きや疑問を受けて全体に投げ返し、各場面を行ったり来たりしながら、場面の様子について想像を広げ、スイミーのすごさについても確かめていきます。最終的には、一人ひとりが作品の言葉を根拠としながら自分の言葉で説明できるようなることを目指します。
新教材「ロボット」は、「問い」と「答え」、「まとめ」がわかりやすく段落で分けられており、説明文の基本的な3部構成を確かめることのできる教材です。今回は小島美和先生(東京都・杉並区立桃井第五小学校)に、この説明文の3部構成をしっかりと押さえつつ、「問い」の「答え」となる事例の紹介のされ方や順序に意識が向くようになる、問いかけの工夫についてご紹介いただきました。
今回の5分で分かるシリーズは、根本俊彦先生(神奈川県・私立清泉小学校)に、物語文の中心人物になりきり、心情を短歌で表現する言語活動を通して、叙述一つひとつのへの意識が高まり、楽しみながら主体的に読めるようになる工夫をご紹介いただきました。
「想像力のスイッチを入れよう」の授業づくりを紹介します。本教材は、SNSが拡大する現代において、情報を適切に吟味したり、違う視点から考慮したりする大切さを伝え、これからの社会を生きる子どもたちにとって重要な情報リテラシーについて考えることができる教材です。 今回は藤田伸一先生(神奈川県・川崎市立中原小学校)に、問いかけやゆさぶり発問の工夫によって、子どもの読みたい意欲を引き出す授業づくりについてご提案いただきました。
今回は久住翔子先生(新潟大学附属長岡小学校)に、教材「やまなし」について、「Which型の課題」や「ゆさぶり発問」を用いて、自分の立場を決めたり無理なく考えの視野を広げたりすることで、子どもたち全員が参加できる授業づくりをご紹介いただきました。 考えたいことについて直接問いかけるのではなく、「Which型の発問」と「ゆさぶり発問」を組み合わせることで、子どもたちの「どうしてだろう」「なぜだろう」を引き出し、考えるべきポイントが焦点化されます。
今回は山田秀人先生(千葉県・昭和学院小学校)に、「読むこと」から「書くこと」へとつながる単元のデザインを、子どもの自然な興味・関心から引き出すために、工芸品への純粋な驚きや発見とともに文章へと意識が向くようになる、「テレビCMゲーム」などのアイデアについてご提案いただきました。