
リフレクション型国語科授業の展開
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執筆者: 白坂 洋一
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リフレクション型国語科授業は、学習者である子どもたちによる「問いづくり → 読み合い → 問いの評価」を位置付けて展開しています。これまでの国語科授業では、主に教師の発問によって、思考の文脈が形成されていました。言い換えると、子どもたちは、教師の発問に対する答えを探す営みをしていたといえるでしょう。その姿は、どこか受動的でもあります。
これからは子どもたちの「学び」に重心を置き、教師の立ち位置は、学習者同士の相互交流を促すこと、学びの状況を把握してリフレクションを促すことに力を注いでいく必要があると考えています。この考えをもとに、「子どもの論理」で創る国語授業研究会では、授業の具体として「リフレクション型国語科授業」を提案しています。
教師の発問によって授業を構成していくのではなく、学びの文脈の中で教師の「問いかけ」によって、子どもたちが教材の特性にふれることができるようにしています。実践を重ねる中で、授業者として強く思うことは、「発問≠問いかけ」ということです。発問は、教える側と学ぶ側の筋を一致させる授業展開の要であり、学習者の思考を促すとともに、授業の中心的役割を担う授業技術ですが、その一方で考えなければならないのは、国語科における発問は、教師の教える筋が重視されていたといわざるを得ません。
今回は「リフレクション型国語科授業」について、紹介していきます。
5月号の「5分でわかるシリーズ」は、小西敦司先生(大阪府・摂津市立三宅柳田小学校)に、子どもたちが「楽しい」「おもしろい!」と思える活動を学習内容に取り上げたり、自分たちで学習を調整できるよう学びの選択肢を広げたりすることで、「子ども主語」となる国語授業のつくり方についてご提案いただきました。についてご提案いただきました。
海の中のお魚の話といえば「スイミー」がよく知られていますが、今回は、同じ谷川俊太郎さんが訳した「にじいろのさかなシリーズ」の1冊を、比江嶋哲先生(宮崎県都城市立有水小学校)に紹介いただきました。幸せになるために「にじうお」がとった行動、子どもたちはどのように受け止めるのでしょうか。
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本教材「たんぽぽ」について、後藤竜也先生(東京都・調布市立八雲台小学校)に、子どもたちが楽しいと思う、たんぽぽについての内容を大切にしながらも、時間や順序に関する書かれ方に気づけるよう、たんぽぽの特徴への関心から考えが広がっていくようにする、授業づくりについてご提案いただきました。
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今回は中野裕己先生(新潟大学附属新潟小学校)に、子どもたちが本教材を読んだとき、どのように感じ、考えるのかを想定した教材研究を行い、自分なりの考えで文章の構造を捉えられるようにするための、ファシリテートの方法についてご提案いただきました。
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本教材「紙ひこうき、きみへ」は、しまりすのキリリが経験する、旅を楽しむみけりすミークとの出会いと別れ、変わりゆくことを受け入れたどこか達観した彼の言動について、キリリの気持ちを想像しながら本文を読むことを通して、読者も心揺さぶられる物語となっています。 今回は山本真司先生(南山大学附属小学校)に、作品世界について想像し、自分なりの解釈を形成できるよう、他者との交流を通して、場面ごとの精査・解釈を共有し深める授業づくりをご提案いただきました。