
「スーホの白い馬」 -教師が教えたいことを、子どもが学びたいことへ-
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執筆者: 髙橋 達哉
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単元名:読んで、かんじたことをつたえ合おう 教材:「スーホの白い馬」(光村図書/2年)
「スーホの白い馬」の授業づくりを紹介します。既習のハッピーエンド型のお話とは違う結末であることや、中心人物の心情が表れる複合語・繰り返し・比喩などの表現の工夫があるという点が本教材の特徴です。今回は、髙橋達哉先生(東京学芸大学附属世田谷小学校)に、子どもの「学びたい」「考えてみたい」「話し合ってみたい」という思いを引き出す、効果的な発問を取り入れた授業づくりについてご提案いただきました。
目次
国語授業において、指導内容を明確に設定することが重要であることは、阿部昇(2004)をはじめ、さまざまな論者によって、これまでにも繰り返し指摘されてきていることである。
「指導内容」というのは、1単位時間の授業や単元全体を通して、「何を教えるか」ということである。他教科と比べ、国語科の指導内容は、今ひとつ分かりづらいと言われる。確かに、学習指導要領解説を読んでも、国語科において指導すべき事項として書かれていることは、抽象度が高いと感じる。
そのため、私たちが国語科の指導内容を理解するためには、学習指導要領解説を丁寧に読み解く必要があり、さらに学習指導要領解説に書かれていることを、実際の教科書教材と照らし合わせていく作業も極めて重要になる。そうして、国語科の指導内容を把握した上で、教科書会社発行の指導書や、教科書の「学習の手引き」などを参照しながら、当該教材における「指導内容」を設定するのである。
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戦争文学という括りであっても、「つけたい言葉の力」に目を向けていく必要があるのは言わずもがなである。子どもが戦争文学から何を感じ取るのか、どんなテーマを受け取るのかということは、子どもの側に委ねられるべきであり、平和の大切さを押しつけるような教材にしてはならない。 「ちいちゃんのかげおくり」「一つの花」「川とノリオ」のように、戦中を描いた作品は多く、また長く掲載されている。 今回は、この中の「一つの花」を中心に実践を紹介し、その後どのような活動を系統的におこなっていくのかということを述べていく。
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今回は、流田賢一先生(大阪府・大阪市立堀川小学校)に、給食だよりの作者である大森先生へ、「どちらの給食だよりがよいと思ったのか」について手紙を書くという課題を設けた授業づくりをご提案いただきました。この課題を通して、2つの文章を比較し、よいと思った根拠をしっかりともち、自分の考えを表現する力を育めます。
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今回は三笠啓司先生(大阪教育大学附属池田小学校)に、本文を読み、動作化したりフキダシを用いて会話文を想像したりして、登場人物と同化してゆく学習活動についてご提案いただきました。物語のファンタジー性とごっこ遊びが好きな子どもの発達段階を結びつけ、日常と非日常を行き来する想像力が養われることでしょう。
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子どもたちを主体的な学び手としていくためには、自分事の学習になっていることが大切です。そのための有効な手立ての一つとして、学習計画を子どもたち自身が立てる、という活動があります。 今回は、迎有果先生(筑波大学附属小学校)に、初読後の感想をもとに学習計画を立てる際のポイントや、その方法を回答いただきました。
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今回は本教材の授業づくりにおいて、田中元康先生(高知大学教職大学院 教授/高知大学教育学部附属小学校 教諭)に、本文と資料①②を合わせて読み、それぞれの主張と説明の仕方を子どもたち自身でまとめるという学習活動についてご提案をいただきました。その活動を通して、筆者の考えと相対化された自分なりの考えをもつことができ、発表へ向け、わかりやすい説明の工夫にも意識的になることでしょう。
まわりの人をうらやんで、「自分は普通でありふれた、つまらない人間なのかもしれない」 そんなふうに落ち込むこと、子どもにも、そして大人にだってあるのではないでしょうか。そんなときに「みんないろいろあるんだな」と思わせてくれて、心を軽くしてくれる一冊をご紹介いただきました。