「固有種が教えてくれること」-具体的な子どもの姿で授業づくりをしよう-
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執筆者: 中野紗耶香
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単元名:資料を用いた文章の効果を考え、それを生かして書こう
教材:「固有種が教えてくれること」(光村図書・5年)
今回は中野紗耶香先生(東京都・国分寺市立第三小学校)に、教材「固有種が教えてくれること」の筆者の説明の仕方と資料の効果をとらえる学習を通して、目指したい子どもの姿から単元のねらいを設定し、子どもの思考の文脈にそった必然性のある単元計画を立て、本時を組み立てるなど、 目の前の子どもの姿をもとにした単元構想の方法をご提案いただきました。
授業づくりにおいて、最も大切なことは何だろうか。
私は、「子どもの具体的な姿で授業全体を構想する」ことであると考えている。授業に関する様々な情報は溢れているが、私たちが一番に向き合うべきは、これから授業をともに創っていく子どもたちである。
文章を読むことが大好きなあの子、国語は苦手だけどいつも一生懸命に取り組むあの子、動物が大好きで、この教材文であれば前向きに取り組めそうなあの子……。
様々な情報を活用しながらも、授業を担当するクラスにいる一人ひとりから意識が離れないように授業を創っていきたい。
本単元は、以下の3つのポイントについて、具体的な子どもの姿を念頭に置いて構想した。
今回は久住翔子先生(新潟大学附属長岡小学校)に、教材「やまなし」について、「Which型の課題」や「ゆさぶり発問」を用いて、自分の立場を決めたり無理なく考えの視野を広げたりすることで、子どもたち全員が参加できる授業づくりをご紹介いただきました。 考えたいことについて直接問いかけるのではなく、「Which型の発問」と「ゆさぶり発問」を組み合わせることで、子どもたちの「どうしてだろう」「なぜだろう」を引き出し、考えるべきポイントが焦点化されます。
今回は山田秀人先生(千葉県・昭和学院小学校)に、「読むこと」から「書くこと」へとつながる単元のデザインを、子どもの自然な興味・関心から引き出すために、工芸品への純粋な驚きや発見とともに文章へと意識が向くようになる、「テレビCMゲーム」などのアイデアについてご提案いただきました。
新教材「友情のかべ新聞」は、好きなものが正反対で仲が悪い東君と西君の2人が、「友情のかべ新聞」を作ったことを境になぜ仲よくなれたのか、同じクラスの一員であるぼくの一人称から真相が描かれてゆく物語文教材です。 今回は三浦剛先生(東京都・東京学芸大附属世田谷小学校)に、本教材がミステリーという文種であること、一人称視点で描かれていることを踏まえ、既習の物語文と異なる時系列や伏線を回収する場面展開の特長に着目した授業づくりを、ご紹介いただきました。
リフレクション型国語科授業は、教師の「教え方」ではなく、子どもの「学び方」を中心とした授業展開です。「問い」をつくり、「問い」で読み合い、「問い」を評価することを1つのサイクルとして位置づけています。 前回は、物語「ごんぎつね」を例に、立てた問いでの読み合いに焦点を当てて、その授業展開を紹介しました。読み合いの授業の実際を具体的に、また、どのような単元計画となっているかを知っていただけたと思います。 今回は、「問い」を評価することに焦点を当てた授業展開の実際を紹介していきます。
今回は流田賢一先生(大阪府・大阪市立堀川小学校)に、本年度より登場した新教材「せっちゃくざいの今と昔」(東京書籍・3年)の授業づくりの工夫についてご提案いただきました。 教材分析をとおして、文章全体で伝えたいことを読み取り、それを説明するためにどのような意味段落の構成となっているのか丁寧に整理することで、子どもたちに育てたい「要約する力」の指導ポイントが見えてきます。
本年度より登場した「みきのたからもの」(光村図書・2年)は、中心人物みきと宇宙から来たナニヌネノンとの友情を描き、次々と現れる不思議なことに、子どもたちがワクワクしながら読み進めることのできる物語文教材です。 今回は比江島哲先生(宮崎県・都城市立有水小学校)に、子どもの初読の感想を想定した上で、物語文の展開や叙述、登場人物の気持ちの変化について、俯瞰的な視点をもてるよう問いをつくる授業づくりの工夫を、ご提案いただきました。