
「やなせたかし-アンパンマンの勇気」 -先人からのメッセージを捉え、自分自身をアップデートする授業づくり-
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執筆者: 安井 望
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単元名:自分にとってのキーフレーズを見つけて、心に残ったことを伝え合おう
教材:「やなせたかし-アンパンマンの勇気」(光村図書・5年)
2025年春 NHK朝の連続テレビ小説のモデルで話題のやなせたかし氏について、本教材ではその生い立ちからアンパンマンに込めた思いまでを説明しています。筆者である梯久美子氏は、やなせ氏と親交のあったノンフィクション作家であり、その書きぶりは、事実を基にした書き手の視点と、やなせたかしの気持ちの変化を書き分けていることが特徴的です。
今回は安井 望先生(神奈川県・横須賀市立夏島小学校)に、本教材の授業づくりにおいて、自分ならどこが一番重要な場面であると考えるのか、色紙にまとめることをゴールに、目的意識と主体的な読みが育まれるような仕掛けをご提案いただきました。
目次
子どもたちはこの単元で初めて伝記を読むことになる。伝記は、実際に存在していた人物について書かれている。
その人物の生き方や考えが、文学的な描写と説明的な記述が織り交ぜて構成されていることも1つの特徴といえる。
今回紹介する教材「やなせたかし―アンパンマンの勇気」も同様である。
まず、出来事に対する人物の行動が詳しく書かれているので丁寧に読み取っていきたい。次に、随所に見られる会話文にも注目できるとよい。会話文を出来事と関連させることで、人物像が鮮明になるからだ。最後に、作者の梯さんとやなせたかしさんの関係性についても確認したい。「もし違う作者が、やなせさんについての伝記を書いたらどのような作品になるのだろうか」。このような考えも子どもたちに投げかける話題の1つになる。
これらの特徴を捉えながら、単元を通じた学びと共に、以下のような子どもたちの読書経験の幅の広がりについても期待したい。
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教材「ことなる見方」では、同じ物事でも異なる捉え方があるということを、実際の図形の例示によって、体験的に、わかりやすく示されています。そのため、続く「言葉と事実」の学習では、言葉の受け取り方においても同じであるという主張が理解しやすく、事例やその順序といった説明の工夫について追究したくなるでしょう。 今回は小崎景綱先生(埼玉県・さいたま市立新開小学校)に、本文の事例について、身近にある類例に置き換えたり、順番の入れ替えが可能か検討したりする活動を行うことで、説明文への自分なりの興味・関心がもてるような、授業提案をいただきました。
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本教材「せっちゃくざいの今と昔」は、本文の中から、伝えたいことを要約し、しょうかいすることが学習のめあてとなっています。 今回は藤平剛士先生(神奈川県・相模女子大学小学部)に、つまづきがちな「要約を書く」ことについて、「要点」「要約」「要旨」について整理することで、「要約の書き方」の基本型を提示していただき、実際の授業展開においてどのように指導をすればよいのかまで、提案いただきました。
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