「風船でうちゅうへ」 ―筆者へのインタビューで名言エピソードを引き出す要約指導―
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執筆者: 沼田 拓弥
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本教材「風船でうちゅうへ」の著者 岩谷圭介さんが、本文の体験についてインタビューを受けたとすれば、はたしてどのような言葉を残すでしょうか?
今回は沼田拓弥先生(東京都・八王子市立第三小学校)に、名言カードの作成という表現活動に向けて、岩谷さんにインタビューをするという想定で本文を読み深めることで、おのずと要点をしぼって文をまとめる意識が育まれるという、ユニークな授業づくりのアイデアについてご提案いただきました。
あなたの心の中には、お気に入りの「名言」があるだろうか?
誰もが知っている発明家のエジソン。数々の発明を成し遂げたエジソンだが、もっとも有名な偉業は、「白熱電球の実用化に貢献したこと」だろう。そして、この偉大な発明の裏には、1万回もの挑戦があったことをご存知だろうか。エジソンは、ある記者にこの挑戦の際に経験した多くの「失敗」について尋ねられたとき、以下のように答えたそうだ。
「私は失敗したことがない。ただ、1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ。」
まさにこれは「失敗」の価値を転換した名言と言えるだろう。
このように、これまでの歴史を紐解くと、数多くの名言が存在する。そして、これらの名言の背景には、心震えるエピソードが必ず存在している。
今回、教材として扱う「風船でうちゅうへ」でも筆者の岩谷圭介さんは、何度も失敗を経験して、一つの成功をつかみ取っている。エジソンと同じように、失敗から学び、挑戦を重ねた岩谷さんがもし、「名言」を残すとしたらどんな言葉を残すだろうか。
教材の中の要点を読み取り、それらのポイントを押さえた上で「自分のきょうみをもったことを中心に、しょうかいしよう」という活動に取り組みたい。中学年の重点指導項目でもある「要約」に挑戦する単元である。
「風船でうちゅうへ」には、どのような特性があるのだろうか。
私なりにこの文章の特性をまとめると以下のようになる。
