
「一つの花」 -自分で学びをつくる 問いへの寄り添い方-
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執筆者: 斎藤由佳
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単元名:「一つの花」に込められたものは?
教材:「一つの花」(光村図書・4年)
本教材「一つの花」では、「一つ」という言葉が繰り返し文中に現れ、場面ごとで、戦時中のひもじさやかけがえのなさなど、異なる意味に読み取れるようになっています。その言葉の意味や使われ方の違いを比較しながら読み深めることで、登場人物の気持ちやその変化を具体的に想像することができます。
今回は斎藤由佳先生(神奈川県・逗子市立沼間小学校)に、内容の読みをそろえるための「つかみの問い」と、自分の「問い」を見直し物語の核に迫る「深める問い」、この2つの「問い」を段階的に考えていくことで、自身で読みを深める学び方を学ぶことができる、授業づくりのアイデアをご提案いただきました。
目次
子どもが生き生きと自ら学んでいく授業を目指していきたい。そのような主体的な学び手をどのように育てていくのか、「問い」を糸口に考えていく。
主体的な学び手と「問い」とは、切っても切り離せない関係にある。それは、何かを知りたいと感じる知的好奇心が「問い」の根源であり、自ら学ぶきっかけとなるためである。また、子どもたちがもった「問い」が発露されるかどうかは、それに対する周りの対応の仕方が、大きな影響を与えると考えている。
「いやいや、そうはいっても疑問が出てこない」「なかなか核にせまる問いが出ないな」という声も挙がると思う。それは,、子どもたちが子どもたちが大人から受けた対応の仕方によって、「なんとなく」「まあいいか」「聞いても相手にされないかも……」と、知的好奇心がもてない形に変化した可能性はないかと検討することはできないだろうか。
本来、人は知的好奇心をもっているのだと私は信じたい。幼い子どもの様子を思い浮かべると、何でも「あれは何?」「なんで?」と、質問している様子が浮かぶ。小さい頃は、それらの「問い」に答えが返ってきたり、一緒に調べたりと、寄り添われることが多い。しかし、ある程度の年齢になると、それくらいはわかるだろうと相手にされなかったり、場にそぐわないと扱われなかったりもする。すると、「問い」をもつことは懸念されるようになる。
だからこそ、個の「問い」を丁寧に取り扱い、自分で調整していく力を付けてほしいと思案している。
さて、授業の場合で考えていきたい。個々にもった「問い」の量や質は様々であり、初読段階ではなおのことである。物語の内容を全体で確かめなければ、力のある子どもの疑問が残り、ともすると苦手だと感じている子どもの疑問はないがしろにされてしまうこともある。そうなっては、主体的な学び手が豊かに育つことは、難しいのではないだろうか。
そこで、基本的な内容の読みをそろえた上で、自分の「問い」を見直す時間が必要だと考える。内容を読み取った後、「問い」を変更したり、精選したりする時間を設け、自ら学びをつくっていく力を養っていきたい。そうして、自分や参考にした友だちの「問い」が解決したとき、初めて自分で「できた」「わかった」と学びを実感できると考える。そんな授業づくりを提案したい。
「問い」を見直すことで、単元内もしくは授業内で解決したい「問い」は変化していくことになる。内容把握のための【つかみの問い】から、主題へと近づくための【深める問い】へと学級全体の学習進度も変化していきたい。
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