
「白いぼうし」 -新学年スタート! なぞを解き明かす楽しみをみんなで味わおう-
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執筆者: 中野紗耶香
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単元名:なぞを解き明かしながら読もう
教材:「白いぼうし」(光村図書・4年)
本教材「白いぼうし」は、タクシー運転手の松井さんが体験する、乗客の女の子が突然消えるという不思議なお話です。「はたして女の子はちょうちょだったのか」などの謎の答えは最後まで描かれておらず、ミステリーのような不思議なお話でありながら、白いぼうしなどの色彩表現、夏みかんの香りなどの描写から、さわやかな読後感が味わえる物語文です。
今回は中野紗耶香先生(東京都・国分寺市立第三小学校)に、叙述をもとに謎をといていく読みの楽しさを感じられる、授業開き間もない4月にぴったりな物語文の授業づくりについて提案をいただきました。
目次
4月。新しい友だち、新しい教室、新しい先生。何もかもが新しい環境での学習がスタートする季節。学校生活に対する期待を抱く子どもは多いだろう。学習に対しても、きっと意欲的なこの時期だからこそ、子どもが楽しめる学習を展開していくことが、国語科に限らず、どの教科にとっても一番大切なことと考える。
ここでは子どもたちが楽しく取り組める授業展開の1つとして、「問いを立て、解決していく授業(なぞを解き明かす)」を提案したい。
発言の仕方、ノートの作り方、交流の仕方……など新学期だからこそ、押さえたい学習の仕方は様々あり、多岐にわたる。
ここでは、「一人ひとりが(または、クラス全体としての)課題をもつこと」「友だちの考えを聞いて、自分の考えを深めること」「深めた考えを自分なりにまとめること」を大切にして、単元を組み立てる。単元を通して経験するこれらの学習活動は、1年間の国語学習において、ずっと変わらず大切なことであることを伝えていく。
指導事項を明確にした授業が大切であることは、自明である。「今回の学習では、このことを学んだな」「3年生のときの学びから、このことが付け加わったね」などど、学んだことを子どもが自覚してできるようにしていくことが大切だ。
既習事項を生かしつつ、さらに新たな学びを積み上げていることを子どもたちが自覚し、成長を実感し続けることが、国語科の楽しさを感じる1つの要因となると考える。
以下、(1)〜(3)を念頭に入れた授業提案をしていきたい。
今月の「教師の必読書」をご紹介いただくのは、赤木詞友先生(福岡県・北九州市立鴨生田小学校)です。子どもの学び方自体が問い直されている今、授業観、教師観自体も大きく変わろうとしています。これからの教育についてリードする著者の、バイブルともいえる1冊を紹介いただきました。
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今回は沼田拓弥先生(東京都・八王子市立第三小学校)に、名言カードの作成という表現活動に向けて、岩谷さんにインタビューをするという想定で本文を読み深めることで、おのずと要点をしぼって文をまとめる意識が育まれるという、ユニークな授業づくりのアイデアについてご提案いただきました。
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提案:日常生活で発揮できる学びを 南山大学附属小学校 山本真司
2025年全国国語授業研究大会 2年 紙コップ花火の作り方/おもちゃの作り方をせつめいしよう
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