
「モチモチの木」 -自分らしく、のびのび話し合える国語授業へ-
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執筆者: 髙橋 達哉
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単元名:登場人物について考えたことを、伝え合おう
教材:「モチモチの木」(光村図書・3年下)
本教材において、子どもたちが自分なりの意見をもち、話し合い、個性を認め合うことで、一人ひとりの多様さが生きる授業づくりを、髙橋達哉先生(東京学芸大学附属世田谷小学校)にご紹介いただきました。
本教材で身に付けたい力から指導内容を明確にした上で、「その子らしさ」を生かした授業を計画することで、拡散ではなく、それぞれの軸をもった子どもの「多様さ」が発揮されるようになるでしょう。
目次
子どもたち一人ひとりの「多様さ」が生きる授業を、子どもたちと共に創っていくことを日々大切にしたいと考えている。「その子らしい考え」「その子らしい見方」を温かく認め合い、そこからも学び合おうとする学習集団づくりを目指すとともに、自らもその集団の学び手の1人でありたいと思っている。
しかしながら、とにかく子どもたちの「多様さ」を大切にして、オープンエンドで授業を終えればいいのかといえば、そうではない。それぞれの単元には、当該単元で身に付けることを目指す「指導内容」があるからである。
例えば、学習材となる文章に対する多様な解釈を話し合うことは重要だが、多様な解釈を出し合って、拡散したまま話し合いが終わるという授業ばかりでは、国語科としての明確な「指導内容」が位置づかない授業が繰り返されることになってしまう。授業においては、多様であっていい部分と、全員で共通に確認すべき部分とがあるのである。
本稿では、子どもたちそれぞれの生活経験や学習経験等に基づく、多様な解釈や考え、着眼の仕方、興味・関心を生かしつつ、国語科としての指導内容が曖昧にならないことを目指した授業展開例を紹介する。
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