5分でわかる 下学年教材を活用した説明文の読み方指導
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お知らせ:
執筆者: 橋爪 秀幸
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中・高学年でも、説明文の構成や「まとめ」の役割、事例を並べる意図など、既習の「読み方」がまだまだ定着しきれていない子どもはいませんか。
今回の5分でわかるシリーズは、橋爪 秀幸先生(大阪府・豊中市立熊野田小学校)に、下学年教材「つぼみ」や「Which型課題」を用いて、事例とまとめのつながりや、事例の順序に込められた筆者の意図を考える実践をご紹介いただきました。
つまずきに応じて必要な学習内容まで戻る「系統指導」により、既習の読み方を確かに身につけ、新しい文章を豊かに読む力へとつなげます。
中学年・高学年の物語文や説明文の授業において、これまでに学習したことが十分に定着していない子どもがいる。例えば、説明文の授業に関して言えば、次のような子どもの姿である。
このような姿が見られたとき、もしくは想定されるとき、どのような手立てを講じるとよいだろうか。私は、下学年教材を効果的に活用することをおすすめしている。例えば、1年生の教科書に掲載されている説明文を用いて、6年生に論理的な読み方を指導するといった具合である。
「6年生なのに、1年生の教材?」と思われるかもしれない。
しかし、下学年教材には大きな利点がある。それは、子どもにとって内容理解の負担が比較的小さいことである。内容理解の負担が小さいからこそ、「この文章はどのように組み立てられているのか」「なぜこのような書き方をしているのか」といった、文章の構成や関係に目を向けやすくなる。
つまり、下学年教材を「簡単な教材」として扱うのではなく、説明文の読み方を取り出して学び直すための教材として活用するのである。
自治体で採用している教科書会社の教材を用いても、そうでない教材を用いても構わないだろう。ねらいに応じて、教材を選ぶことが重要である。
本稿では、光村図書・1年上に掲載されている「つぼみ」を用いた授業を2つ紹介していく。
先ほど例として取り上げた子どもの姿は、教室でよく見られるのではないだろうか。そもそも、一度学習したからといって、その内容がすぐに定着するとは限らない。これは、国語に限らず、他教科においても同様である。そのため、教師は子どもの理解の状況に応じて、「戻る」ということをしているはずである。
例えば、算数の授業で、わり算の筆算につまずいている子どもがいたとする。その原因を探ってみると、かけ算やひき算の理解に課題があることがわかった。そこで、かけ算やひき算の学習まで戻り、必要な内容を学び直す。このような指導は、決して特別なことではないだろう。
国語の授業においても同様である。説明文には説明文の、物語文には物語文の「読み方」がある。これまでに学習してきた読み方が十分に身に付いていなければ、新しく出合う文章を豊かに読むことは難しい。
だからこそ、子どものつまずきが見られたときには、その子が必要としている学習内容まで「戻る」ことが大切である。
「まとめ」が書かれるようになる中学年以降の説明文では、「事例とまとめのつながり」を捉えることが重要である。つまり、事例の内容を一つひとつ理解するだけではなく、「中」で示された事例が、最後の「まとめ」にどのようにつながっているのかを読むということである。「まとめ」が文章の最後に置かれている尾括型の説明文であれば、「中」と「おわり」のつながりを捉えることになる。
では、この「事例とまとめのつながり」を、下学年教材を使ってどのように学び直すことができるのだろうか。具体的には、次のような展開である。
説明文には、筆者の伝えたいことが書かれている。そして、その伝えたいことの中心が読者に伝わるように、「中」では、具体的な事例を複数挙げて説明することが一般的である。読者は、それらの事例を読むことで、筆者が伝えようとしていることを理解していく。では、複数挙げられた事例は、なぜその順序で取り上げたのだろうか。そこには、筆者の意図が必ずあるのである。その意図を考えることは、筆者の思いに迫ることにつながる。
では、この「事例の順序の意図」を、下学年教材を使ってどのように学び直すことができるのだろうか。具体的には、次のような展開である。
橋爪秀幸(はしつめ・ひでゆき)
大阪府・豊中市立熊野田小学校
全国国語授業研究会理事/日本授業UD学会大阪支部代表
