「おにぎり石の伝説」 ―音読の工夫から通じ合う国語の授業づくりへ―
|
執筆者: 田中 元康
|
単元名:人物の心情を音読で伝えよう
教材:おにぎり石の伝説(東京書籍・5年)
今回は本教材の授業づくりにおいて、田中元康先生(高知大学教職大学院 教授/高知大学教育学部附属小学校 教諭)に場面や構成を捉えながら心情の変化を読み取り、その理解を基に音読の工夫を考える授業づくりについてご提案をいただきました。
音読の表現を互いに伝え合う活動を通して、子ども同士が理解し合う学びの場をつくることができます。
目次
物語の舞台は読者と同じ学校。1人の子どもの発言から始まる。
「この石、なんだかおにぎりみたい。」
この発言した人物は、“だれが最初にそう言ったのかはわすれてしまったけれど”と記述されているように、特定されていない。けれど、そうした学校で流行る事柄というのは、こうした“だれか”のふとした発言がきっかけとなることがよくある。読者である子どもたちもそういった事情をよく理解しているのか、この物語の出来事を比較的スムーズに受け入れることができる。
また、最初のページの挿絵でおにぎり石を眺める少年の姿が描かれており、おにぎり石の形状、大きさが読み手に伝わる。そして、“空前のおにぎり石ブーム”の説明へ続いていく。おにぎり石は希少性があり、様々な“伝説”が生まれている。まるでゲームの世界にでも入り込んだように、子どもたちはおにぎり石集めに熱狂し、日常の学校生活にない世界を想像するようになる。このように、読者と距離の近い日常生活を舞台にしながら、夢から目覚め我に返るスピード感のある展開は小学5年生にとって魅力的に映ると思われる。
