「おおきなかぶ」 ―文学作品の第一歩を楽しく踏み出そう!―
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執筆者: 笠原 冬星
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今回は笠原冬星先生(大阪府・枚方市立桜丘北小学校)に、教材「大きなかぶ」は全教科書会社で採用されているもののそれぞれ訳者が異なり、表現に違いがあることに着目することで、繰り返し表現やリズムを大切にしながら、文学教材を楽しむことができる授業づくりについてご提案いただきました。
6年間の文学学習と音読活動のはじまりとして、わくわくするような第一歩となるでしょう。
大きなかぶはすべての教科書会社で採用されている作品である。
しかし、よく見ると違いがある。原文はロシアの作品であるが、光村図書は西郷竹彦、東京書籍と教育出版は内田莉莎子と訳者が違う。よってそれぞれで書きぶりが違う。
大きく分けると次の3点である。
光村図書では、「あまいあまい、おおきなおおきな かぶになりました。」で、
東京書籍では「あまい、げんきの よい、とてつもなくおおきい かぶができました。」、
教育出版は「あまそうな、げんきの いい、とてつもなくおおきな かぶができました。」となっている。
光村図書では、繰り返しを使用しその大きさを表現しているのに対し、東京書籍と教育出版は「とてつもなく」という言葉でその大きさを表現している。また、光村図書と東京書籍は「あまい」と言い切っているのに対し、教育出版では、「あまそうな」という推定の形になっている。
②と③については、光村図書と東京書籍・教育出版で大きく違う。
ぬく順番の視点が光村図書では、かぶ → 呼んできたものの順番になっているが、東京書籍・教育出版では、呼んできたもの → かぶの順番になっている。
つまり、視点が前から後ろにいくのか、後ろから前にいくのかの違いがある。光村図書では視点が必ず引っ張る順番になっているのに対し、東京書籍と教育出版では、新しく呼ばれてきたものに視点を当てるという、それぞれで工夫がなされている。
ぬけないときの前についている言葉もそれぞれで違いがある。
光村図書では、「けれども それでも やっぱり まだまだ なかなか とうとう」となっていて、
東京書籍・教育出版では、「ところが それでも まだまだ まだまだまだまだ それでも やっと」となっている。
光村図書では、最後の3つが繰り返しになっており、東京書籍と教育出版では、「まだまだまだまだ」という「まだ」を何度も繰り返すという特徴になっている。
①〜③の違いを知った上で指導に役立てるとよい。
