思考ツールで読み解く「『鳥獣戯画』を読む」の授業
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執筆者: 大江 雅之
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単元名:考えを効果的に伝えるための筆者の工夫をとらえる
教材:「鳥獣戯画」を読む(光村図書・6年)
本教材は文種として「論説文」に位置づけられ、語りかけるような文体、仮説の提示、根拠としての絵巻などといった、筆者の表現の工夫が多く見受けられます。動物が人のようにふるまう様子や、動きの巧みな描写など、漫画・アニメにも通じる表現について紹介され、子どもたちにも親しみやすい内容となっています。
本教材について、今回は大江雅之先生(青森県・八戸市立城北小学校)に、思考ツール「フィッシュボーン図」を用いて、「絵の説明」「ほめことば」「筆者の表現の工夫」を整理することで、分析力や文章の構造化の力を身につける授業づくりについてご提案いただきました。
目次
「思考ツール」とは、思考する際に活用することで、頭の中で考えていることを書き出し、整理しやすくして、「⽐較 」したり「分類」したりすることができ、「思考スキル」を身に付けることができるようになる道具(ツール)である。
「『鳥獣戯画』を読む」においては、さまざまな思考ツールのうち「フィッシュボーン図」を用いて読み取りを進めていく。
「フィッシュボーン図」は、魚の形をしたチャートである。頭の部分に目標や問題を書き込み、大骨の部分にその要因を書いていく。小骨を使って、さらにその事象の要因を細かく分析していくことができる。身に付けることができる「思考スキル」は、「分析する」「焦点化する」「構造化する」ことである。
今回の「『鳥獣戯画』を読む」の読み取りでは、頭の部分に「どのようなことを読んでいるのか」を入れ、大骨の部分に各段落を、小骨の部分に「鳥獣戯画の説明」「ほめことば」「筆者の表現の工夫」の3つの観点を入れてまとめていくようにした。
