「風船でうちゅうへ」 ―筆者の情熱を感じよう!―
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執筆者: 笠原 冬星
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本教材は、筆者の岩谷圭介さんが「人を風船で宇宙に運びたい」という壮大な夢に向かって、何度失敗してもあきらめずに実験と改良を重ね、挑戦を続ける姿を描いています。風船を飛ばすたびに生まれる課題を一つひとつ乗り越えていく過程から、夢を実現しようとする強い意志と探究心の大切さが伝わってきます。
今回は笠原冬星先生(大阪府・枚方市立桜丘北小学校)に、本教材の文章を、似た文章構成である「ミラクルミルク」(学校図書 3年)と読み比べることで、順序型の構成であることや意味段落のまとまりに気づきやすくする授業づくりについてご提案いただきました。
目次
「風船でうちゅうへ」は説明文である。
これは筆者「岩谷圭介」さんが、風船を使って宇宙にカメラを運び撮影するために、どのような実験や工夫をしたかを記した文章である。そして、「宇宙にカメラを運ぶ」ということを達成するために、風船を16号機までつくり、やっとあざやかな景色の撮影に成功している。これは、研究者としての「あきらめない心」をもち続けた結果であり、それを支えているのは、自身の「夢」であるともいえる。その夢は「人を風船で宇宙に運ぶこと」である。そして、岩谷さんへのインタビューという形式の文章も書かれており、さらに「努力すること」の大切さを伝える文章となっている。
説明文は、事実をより正確に伝えるための文章である。そのために、どのような文章構成になっているかを考えることはとても重要な活動であると考える。それとともに、今回の「風船でうちゅうへ」は筆者自身が実験をしており、「風船を宇宙に運びたい!」という思いがとても強い文章である。このような文章を深く読むためには、文章構成だけを追うのではなく、「筆者の思い」もとても重要である。
そこで、今回の単元では「文章構成を読み解くこと」から「筆者の思いを受け取る」という2点を柱に、単元を考えて展開している。
