「せんねん まんねん」「名づけられた葉」 ―詩に込められた思いを考えよう―
|
執筆者: 中野紗耶香
|
単元名:詩を味わおう
教材:「せんねん まんねん」「名づけられた葉」(光村図書・6年)
何のために、どのような力を身につけるために詩の授業を行うのか。普段、詩の授業について、あまり考える時間が取れていないことはないでしょうか。しかし、詩の特性を押さえた授業づくりを行うことで、言葉のイメージや感性を豊かにすることができる、貴重な時間となるかもしれません。
今回は学習材「せんねんまんねん」「名づけられた葉」において、中野紗耶香先生(東京都・国分寺市立第三小学校)に、詩の授業で押さえたい点を整理し、題名・リズムなどに注目することで、言葉の推測から作者の思いを自分なりに読み取る力を伸ばす授業づくりについてご提案いただきました。
目次
学期初めの国語の時間は、どの学年も「詩」からスタートすることが多い。短い言葉の中に、さまざまな世界が広がる詩や詩の学習を好む子どもはたくさんいる。
しかし私は……恥ずかしながら、詩の学習でどんな力をつけたいのかが曖昧で、しばらく自分の詩の授業に自信がもてなかった。子どもたちは、言葉からイメージも膨らませたり、音読の工夫を考えたりと、楽しそうに取り組んでいるように見えるのだが、それらの活動で、どのような力がついているのか、また、そもそも詩ってなぜ学習するのか、などについて理解が曖昧だったからだろう。
ここでは、詩の学習が、学習指導要領のどこに位置づいているのかを紐解いていく。そうすることで、詩の学習を通して身につけさせたい力を確認していきたい。これがわかれば、より自信をもって授業をすることができたり、自分なりに学習活動を工夫できたりするのではないだろうか。
