
「やくそく」 -同化体験を通して、物語世界を豊かに想像する文学の授業-
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執筆者: 三笠 啓司
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単元名:おはなしをたのしもう
教材:「やくそく」(光村図書・1年上)
本教材「やくそく」は、自分の知らない世界に憧れるあおむしたちの姿が描かれ、入学したばかりの1年生にとって、 共感しながら読める物語です。
本教材において、三笠啓司先生(大阪教育大学附属池田小学校)に、登場人物に同化する体験を通して、一人ひとりが想像力を働かせ、豊かに物語世界を楽しむことができる、「同化体験」を取り入れた授業づくりのご提案をいただきました。
目次
1年生の子どもたちには、とにかく物語の世界にどっぷり浸かり、物語世界の中で遊びながら学ぶ学習経験をたくさん積ませたい。物語世界を想像する楽しみや喜びを知った子どもたちは、これからの国語科の学習において豊かな学び手となることだろう。
登場人物に同化して考えを表現したり、描かれていない物語世界(物語の余白)を想像したりしながら、物語の楽しさを表現する。また、友だちと交流を重ねることで、多様な感じ方や考え方にふれ、新たな物語世界のおもしろさに気づけるだろう。このような学習経験を経て、子どもたちは、少しずつ自分の力で物語を楽しむ力を高めていく。
それでは、子どもたちが豊かに想像力を働かせ、物語世界の中で遊ぶ学習経験をどのようにして味あわせていけばよいのだろうか。
今回の提案では、子どもたちが幼児期から慣れ親しんでいる「ごっこ遊び」の要素を学習活動の中に取り入れることで、学びと遊びの段差をなだらかにし、子どもたちが物語を学ぶおもしろさを感じられるようにしていく。
1年生の子どもたちは、何かになりきって遊ぶことが大好きである。この1年生の発達特性を生かし、実際に登場人物になりきる「同化体験」を通して、物語世界を読み深めていく。
私が考える同化体験は、以下のとおりである。
本単元では、②劇化、④登場人物との対話をする「同化体験」に焦点を当てて授業をデザインする。登場人物が何をしたのか、どのような表情や口調、様子だったのかを具体的にイメージを膨らませたり、行動の理由を想像したりしながら、子どもたち一人ひとりが物語世界を豊かに読み深める学びを育んでいく。
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