
「人間は他の生物と何がちがうのか」 -オープンエンドの課題で、自分の考えをまとめる-
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執筆者: 藤平 剛士
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本教材では、ツチハンミョウと人間について、文章の構造においてではなく、意味内容において対比的に、違いがわかるよう記述されています。長い第3段落からもわかるように、ツチハンミョウは生存方法、人間は特性について特に記述され、「生き方」を一般化できるものとそうでないものの違いが、構成に明確に表れています。
今回は藤平剛士先生(相模女子大学小学部)に、本教材の前にある詩「生きる」と合わせて、「生きるって何だ?」といった答えのない問題を設定することで、6年生の子どもたちが今の自分と向き合ったり、探究的な見方・考え方を育んだりするような授業づくりの工夫をご提案いただきました。
6年間の国語の学習で取り組んできた活動を想起するねらいが込められた、最後の単元「卒業するみなさんへ」は、
①「中学校へつなげよう」 ▶︎ 身につけた言葉の力を確かめよう。
②「生きる」(谷川俊太郎作) ▶︎ 感じたことを友だちと話したり、朗読したりしよう。
③「人間は他の生物と何がちがうのか 福岡伸一」 ▶︎ 筆者の考えに対する自分の考えをまとめよう。
の3つが教材として設定されている。
実際には、卒業式に向けた時期での学習となると、読んで感想交流という時間しか確保しにくいかもしれない。しかし、2024年11月13日に亡くなられた谷川俊太郎氏の「生きる」(本教材の前頁に掲載、詩の教材)と、今回取り扱う、生物学者である福岡伸一氏の説明文を合わせて読むことで、6年生の子どもたちが今の自分と向き合ったり、探究的な見方・考え方を学んだりできる題材としての価値の大きさは見逃せない。
そこで、授業者は、クリエイティブかつダイナミックにデザインした、小学校最後の、子どもと創る国語の授業に臨みたい。
生物学者である福岡伸一氏の説明文「人間は他の生物とは何がちがうのか」には、以下の3つの比較によって、他の生物と比較した人間の特徴が強調して述べられている。
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