「どうぶつ園のかんばんとガイドブック」の授業づくり
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執筆者: 中野 裕己
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新教材「どうぶつ園のかんばんとガイドブック」(東京書籍 2年)では、かんばんとガイドブックの書かれ方や内容を比較し、違いを発見することを通して、読み手にとってわかりやすい説明とは何か、説明の仕方と目的について学習することができます。
今回は中野裕己先生(新潟大学附属新潟小学校・指導教諭)に、子どもたちがかんばんとガイドブックを比較する上で、どのようにすればその精度を上げられるのか、導入と内容の整理の方法についてご紹介いただきました。
どんなときに誰が読むか
対象について端的に書かれているものが、かんばんである。
本教材では、アフリカゾウについて、「すんでいる場しょ」「体の大きさ」「たべもの」「体のとくちょう」が挙げられている。そして、「すんでいる場しょ」が「アフリカ」と単語で書かれているなど、情報が短く表現されている。
このようなかんばんの特徴は、読む人の置かれた状況に合わせたものである。かんばんは、基本的に実物の近くに設置されている。読む人は実物を見ながら、それに関わる情報としてかんばんを読むことになる。当然実物に興味をもっているわけなので、かんばんの情報は端的に書かれていることがふさわしいのである。
今回の5分で分かるシリーズは、根本俊彦先生(神奈川県・私立清泉小学校)に、物語文の中心人物になりきり、心情を短歌で表現する言語活動を通して、叙述一つひとつのへの意識が高まり、楽しみながら主体的に読めるようになる工夫をご紹介いただきました。
「想像力のスイッチを入れよう」の授業づくりを紹介します。本教材は、SNSが拡大する現代において、情報を適切に吟味したり、違う視点から考慮したりする大切さを伝え、これからの社会を生きる子どもたちにとって重要な情報リテラシーについて考えることができる教材です。 今回は藤田伸一先生(神奈川県・川崎市立中原小学校)に、問いかけやゆさぶり発問の工夫によって、子どもの読みたい意欲を引き出す授業づくりについてご提案いただきました。
今回は久住翔子先生(新潟大学附属長岡小学校)に、教材「やまなし」について、「Which型の課題」や「ゆさぶり発問」を用いて、自分の立場を決めたり無理なく考えの視野を広げたりすることで、子どもたち全員が参加できる授業づくりをご紹介いただきました。 考えたいことについて直接問いかけるのではなく、「Which型の発問」と「ゆさぶり発問」を組み合わせることで、子どもたちの「どうしてだろう」「なぜだろう」を引き出し、考えるべきポイントが焦点化されます。
今回は山田秀人先生(千葉県・昭和学院小学校)に、「読むこと」から「書くこと」へとつながる単元のデザインを、子どもの自然な興味・関心から引き出すために、工芸品への純粋な驚きや発見とともに文章へと意識が向くようになる、「テレビCMゲーム」などのアイデアについてご提案いただきました。
新教材「友情のかべ新聞」は、好きなものが正反対で仲が悪い東君と西君の2人が、「友情のかべ新聞」を作ったことを境になぜ仲よくなれたのか、同じクラスの一員であるぼくの一人称から真相が描かれてゆく物語文教材です。 今回は三浦剛先生(東京都・東京学芸大附属世田谷小学校)に、本教材がミステリーという文種であること、一人称視点で描かれていることを踏まえ、既習の物語文と異なる時系列や伏線を回収する場面展開の特長に着目した授業づくりを、ご紹介いただきました。
リフレクション型国語科授業は、教師の「教え方」ではなく、子どもの「学び方」を中心とした授業展開です。「問い」をつくり、「問い」で読み合い、「問い」を評価することを1つのサイクルとして位置づけています。 前回は、物語「ごんぎつね」を例に、立てた問いでの読み合いに焦点を当てて、その授業展開を紹介しました。読み合いの授業の実際を具体的に、また、どのような単元計画となっているかを知っていただけたと思います。 今回は、「問い」を評価することに焦点を当てた授業展開の実際を紹介していきます。