
リフレクション型国語科授業の展開 -問いをどのように立てていくか、その授業展開-
|
執筆者: 白坂 洋一
|
目次
これまでの国語科授業は、「教師による発問・応答型の授業」と言われるように、教師が発問することによって、子どもは発問に対する正解や最適解を導き出していくものだったといえます。
常に、教師からの発問によって授業が進められていくわけですから、そこでの子どもたちの姿は、どこか受動的で、主体的な読みの力が十分に育っているとは言い難いところがあります。
子どもたち自らが問いを立てて、学びを進めることができたら、どれほど主体的な読みの力が育つことでしょう。子どもたち自らが問いを立てることができるということは、教材の要所に目を向けているということであり、その問いをきっかけに学びを深めていくことができるということだといえます。
しかし、気を付けなければならないのは、ただ疑問に思ったところや分からないところを問いとして立てたとしても、問いをつくったという事実だけしか残りません。すると、読んだことの実感も湧かないですし、その問いが本当によかったのかという判断もつきません。
読み合いでは、「友達と話し合いたい」といった、対話を通した他者との交流が必要となってくるでしょうし、問いの評価では、問いそのものが本当に自分たちにとってよかったのか、その問いで新しく分かったことはどんなことがあったかと振り返ることも必要となってくるでしょう。
そこで、子どもたちによる「問いづくり→読み合い→問いの評価」を位置付けて展開しているのが、「リフレクション型国語科授業」です。
今回は、物語を例に、どのように問いを立てていくのか、問いづくりに焦点を当てて授業展開を紹介したいと思います。
では、具体的にどのように問いづくりの授業を展開していったらよいのでしょうか。私は次のように1時間を展開しています。
有料記事
今回は比江嶋哲先生(宮崎県・都城市立有水小学校)に、「構成」「付けたい力」「筆者の主張」の3点を意識した発問を行い、文章の構造や説明の工夫といった全体のつながりを意識できるようにすることで、俯瞰的に説明文を読む力が身に付く授業づくりをご提案いただきました。
有料記事
子ども自身が夢中になって読み、叙述をもとに語ったり、新たな読書生活に拓いていく姿。そんな「自ら読む子ども」に育つために、教師はどのような手立てを考えればよいのでしょうか。今回は、迎有果先生(筑波大学附属小学校)に、主体的な読み手を育てる活動を紹介いただきました。
有料記事
新刊刊行記念!サブスク会員限定特典 このたび、青木伸生先生の新刊『探究の思考プロセスが育つ フレームリーディングの国語授業』の刊行を記念して、サブスクリプション会員限定の10%OFFクーポンをご用意しました。
有料記事
本教材「友情のかべ新聞」は、対立していた東君と西君が、失敗を隠そうとする中でお互いを理解し、友情を深めていく物語です。2人の変化を観察・推理する、いわゆる探偵視点の語り手である「ぼく」も、クラスや人間関係に関心をもつように変容しています。 今回は山本純平先生(東京都・江東区立数矢小学校)に、本教材の授業づくりを行うに当たって、「何が、どうして、どのように変化したのか」叙述から丁寧に整理をする教材研究の方法をご提案いただきました。子どもの「なぜ?」を引き出し、なぞについて整理し、読み進めたくなる意欲を生む仕掛けが見いだせることでしょう。
有料記事
今回は久住翔子先生(新潟大学附属長岡小学校)に、本教材の挿絵や時代背景への着目を通して想像力を広げ、自分の考えや価値観と結び付け、物語の続きを書く創作活動を取り入れた授業づくりをご提案いただきました。 自らの創作した作品を共有・対話する中で、他者の異なる視点や表現を受け入れ、その違いを愉しむ姿勢を育むことができます。
有料記事
今回は小島美和先生(東京都・杉並区立桃井第五小学校)に、場面分けや「描写」と「説明」の違いに注目することで、「歌」の気持ちを読み取りやすくする授業づくりについてご提案いただきました。自身の経験と結び付けながら登場人物の変容を考えることで、様々なものの見方・考え方に気づくことができる工夫となっています。