
UDLの視点でつくる国語科授業 -2年説明文「どうぶつ園のじゅうい」(光村)の授業実践-
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執筆者: 桂 聖
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目次
米国発の「UDL(Universal Design for Learning:学びのユニバーサルデザイン)」*1とは、障害の有無にかかわらず、すべての学習者の学びを助けるための概念的フレームワークです。そのねらいは、「学びのエキスパート」(自らの学びを舵取りできる子ども)を育てることです。
いま日本では、「自立した学習者」を育てるために、「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」を図ることが求められています。UDLは、その実現を目指す有効な指導方法の一つです。
UDLでは、「なぜ学ぶのか?」という学習者の目的意識を重視します。そして「何を学ぶのか?」「どのように学ぶのか?」を、学習者自らが選んで学びを進めるように支援します。
また、「カリキュラム」の障害を想定して、それを事前に対応しておきます。学習者自身が、学習の「ゴール」を目指して、「教材」「方法・手段」の「オプション」(複数の選択肢)を選び、自らの学び方を「評価」しながら学習を進めていけるようにするのです。
したがって、UDLの視点で国語科授業をつくるには、次の4つの要件が重要になります。
5月号の「5分でわかるシリーズ」は、小西敦司先生(大阪府・摂津市立三宅柳田小学校)に、子どもたちが「楽しい」「おもしろい!」と思える活動を学習内容に取り上げたり、自分たちで学習を調整できるよう学びの選択肢を広げたりすることで、「子ども主語」となる国語授業のつくり方についてご提案いただきました。についてご提案いただきました。
海の中のお魚の話といえば「スイミー」がよく知られていますが、今回は、同じ谷川俊太郎さんが訳した「にじいろのさかなシリーズ」の1冊を、比江嶋哲先生(宮崎県都城市立有水小学校)に紹介いただきました。幸せになるために「にじうお」がとった行動、子どもたちはどのように受け止めるのでしょうか。
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本教材「たんぽぽ」について、後藤竜也先生(東京都・調布市立八雲台小学校)に、子どもたちが楽しいと思う、たんぽぽについての内容を大切にしながらも、時間や順序に関する書かれ方に気づけるよう、たんぽぽの特徴への関心から考えが広がっていくようにする、授業づくりについてご提案いただきました。
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今回は中野裕己先生(新潟大学附属新潟小学校)に、子どもたちが本教材を読んだとき、どのように感じ、考えるのかを想定した教材研究を行い、自分なりの考えで文章の構造を捉えられるようにするための、ファシリテートの方法についてご提案いただきました。
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本教材「紙ひこうき、きみへ」は、しまりすのキリリが経験する、旅を楽しむみけりすミークとの出会いと別れ、変わりゆくことを受け入れたどこか達観した彼の言動について、キリリの気持ちを想像しながら本文を読むことを通して、読者も心揺さぶられる物語となっています。 今回は山本真司先生(南山大学附属小学校)に、作品世界について想像し、自分なりの解釈を形成できるよう、他者との交流を通して、場面ごとの精査・解釈を共有し深める授業づくりをご提案いただきました。