
面白い国語の授業をつくろう
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執筆者: 青木 伸生
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子どもは、小学校に入学したときから、日常会話に困らない程度の話し言葉は身に付けているし、絵本を読める子もいます。そんな子どもたちに、国語の授業では週9時間かけて、何を教えていく必要があるのでしょうか?
算数なら、足し算や引き算ができたとか、かけ算九九を覚えたとか、子どもは何かしらの達成感をもちながら授業に取り組みます。新しい発見がある、新しい知識を身に付けた、そういったことを子ども自身が実感できると、「勉強した」という気になるのでしょう。
さて、国語はというと、はじめに書いたような実情ですから、子どもは、なかなか新しい発見や知識の習得を実感できずにいます。子どもにとって、国語の授業が「知っている・できる」の連続であれば、しかもそれが1日2時間もあると、「たいくつ・つまらない」という感想になるのも無理はないでしょう。
では、どうすればよいのでしょうか? 「国語の勉強とはそういうものだ」と教師も自分に言い聞かせ、子どもたちにもそのように思わせて進んでいくことは、これから先の6年間を思うと、得策ではないことは明らかです。
国語の面白さを子どもに実感させたい。子どもに、「次は何をやるのかな?」「次はこんなことしてみたい」という期待感をもたせたい。そのためには、どのような考え方で、どのように授業をつくればよいのでしょうか。
この答えは、1つではないし、算数の公式のように簡単に導き出せるものではありません。これから、私の個人的な考えを紹介しつつ、自分自身でも国語の授業のあり方について考えたいと思います。
まずは仮の結論です。国語の面白さとは何か? 1つにはまとまりませんが、次のようなことではないでしょうか。
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