5分でわかる ―クラスみんなで授業に参加しよう―
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お知らせ:
執筆者: 髙萩志津子
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学年はじめの詩の授業では、視写をせかさず丁寧に支援し、楽しい音読や段階的な暗唱を通して、全員が参加できる雰囲気をつくる。
そんな日々の授業では、苦手な子も安心して取り組めるような実践について、今回は、髙萩志津子先生(福島県・いわき市立御厩小学校)にご紹介いただきました。
新学期、国語の授業を始めよう、と子どもたちを見ると、しっかり教科書とノートを開いている子どもがいる一方で、教科書も出していない子どもや、隣としゃべっている子どもがいる、なんていうこと、ありますよね。
学習を進めていても、理解している子どもとしていない子どもの差があるな、と感じることは多いと思います。当たり前ですが、子どもたちは、たった6年でもそれぞれ違った生活環境で生きてきています。わたしたち教師が想像もつかないようなつらい経験をしている子どももいます。集中力1つとっても、30人いれば30人違っています。
そんな中でも、「クラス全員に授業に意欲的に参加してほしい」「少しでも全員の力を伸ばしたい」と思って私が実践してきたことを書かせていただこうと思います。
学年はじめ、学期はじめの導入時間で、詩が取り扱われることが多いと思います。
これから紹介するのは、そのときに、みんなを巻き込むために使っている方法です。今回は、中学年で指導をしていたときのことを想起して書いています。
視写は、嫌いな子ども、苦手な子どもが多いと思います。だからこそ、絶対に「せかさない」「責めない」のスタンスでいきます。
まず、題名を書きます。そして、すぐ机間巡視。書き終わっている子ども、丁寧に書けている子どもを褒めながら、ノートを出していない子のところに行って声をかけます。
「ノートある?」
「ある」
「よかった。見開きっていうのは、両方白いページで書けるように開くことね」
と教えながらこちらからノートを開いてしまいます。また、ノートを開いていても、書こうとしない子どももいます。その子どもには、「難しいとこある?」「先生手伝おうか?」と声をかけます。
そうすると、題名を書くだけなのでどの子どもも「大丈夫です」といって書き始めます。書いていない子の人数が多いと、ここでみんなを待たせることになってしまいますが、教師の「だれ一人見捨てない」という姿勢を見せるためには、必要な時間だと思っています。そして、書き終わっている子どもたちが待っていてくれていることに感謝を伝えます。
「みんな静かに待っていてくれてありがとう。やさしいなぁ。おかげで、全員ノートがそろったよ」
そこからも、絶対に急がず、1行書いては、机間巡視。ちょっとでも字が丁寧になっていたり、スピードが上がっていたりしたら褒める、を繰り返します。そうすると、自然に全体のスピードが上がって、終わり頃なると、最初、ノートを開いていなかった子どもが、机間巡視をしている私に「早く次の行書いて」なんてせかすようになることもあります。
そうなれば、もう、どんどん書いていってもみんな遅れることはありません。
詩の音読は、とにかく楽しく。
最初は、全員で声を合わせて、内容によって、声を大きくしたり小さくしたり、動きをつけられそうなら子どもたちと一緒に動いてみて、おもしろい動きをみんなでまねしたりしながら、繰り返し音読をします。そのあと、順に少しずつ人数が減るように、号車ごとや列ごとに順番に読みます。
さらに、好きなところを何行か選んでそこだけ立って読む竹の子読み。何行か選ばせることで、できるだけ複数人になるようにします。
そして、最後は暗唱にチャレンジ。ノートを閉じさせて、黒板の詩を見ながら音読します。
「2,3カ所言葉を消して、音読する」「さらに、2,3カ所消して、音読する」を繰り返してどんどん黒板の詩を消していきます。わかりやすい言葉、繰り返し出てくる言葉から消していきます。子どもたちは、最初は「えー。無理」と言うこともありますが、少しずつ少しずつ、消していくことで自信をもつようになります。ちょっとゲーム性があるので、みんながノってきます。最後まで読めたら、「すごーい!」と思いっきり拍手。「もっと消して」と言う子どもも出てきますが、そこは焦らず、みんなができるペースで。
最後には、何も書いていない黒板で、音読できたことも多くあります。そして、その日の宿題はその詩の音読。「おうちの人に暗唱する姿を見せてきてね」と伝えます。そうすると、次の日、「暗唱して褒められた」と報告してくれる子どももいます。
音読も、得意、苦手がはっきり分かれるところだと思います。私が最近取り入れて、いいなと思っているのが、「グループ丸読み」です。
一人ひとり読んでいると、読めない子はいつまでたっても読めないし、全員で丸読みすると、一度読んでから次に読むまでの時間が空きすぎてもったいない、と思ったのがはじまりです。
やり方は名前のとおり、3人グループで、スタートと読む順番を決めて丸読みをするだけです。ですが、読めなかったり間違っていたりしてもみんなが教えてくれるし、すぐに自分の番が回ってくるので、どのグループも集中して読みます。漢字を読むのが苦手で全体の前だと丸読みするのを嫌がっていた子どもも、グループの中でなら読めるようになりました。
次の日には、スタートをずらすことで、どの部分も読むことになります。意欲を高めるために、時間を決めて、どこまで読めたかの確認をすることもあります。競わせることで、より集中とチーム力が高まります。
しかし、読むスピードがどうしてもゆっくりになってしまう子どももいます。そんなときのスピード競争はゆっくりな子どもを責める雰囲気になるので危険です。そういうときは、前の日の自分たちの記録を超えたか、で達成感を味わわせるようにしています。
ちょっとしたことですが、「次は、国語だよ」と言うと「えー」という反応を返してくる子どもたちに、少しでも、「国語、ちょっと楽しいかも」「なんか、できることが増えたな」と思ってもらいたくて、実践していることを書かせていただきました。
私も、まだまだ試行錯誤の途中です。子どもたちとともに、学び続けていきます。
髙萩志津子(たかはぎ・しづこ)
福島県・いわき市立御厩小学校
