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    5分でわかる 1年間の国語の学びのふりかえり―学びを目に見える形にする方法―

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    5分でわかる 1年間の国語の学びのふりかえり―学びを目に見える形にする方法―

    5分でわかる 1年間の国語の学びのふりかえり―学びを目に見える形にする方法―

    執筆者: 大西人詩

    |

    2026年6月18日

    6月号の「5分でわかるシリーズ」は、大西人詩先生(大阪府・吹田市立南山田小学校)に、1年間の国語の学びを「目に見える形」にしてふりかえるご実践が紹介していただきました。
    まとめた学びを交流・発表することで、学びをより確かなものにし、次の学習へつなげていくことができます。

    目次

    1. 子どもたちにとって国語の学びをふりかえる場とは 2. 1年間のふりかえりに必要なスキル 3. 1年間の学びを目に見える形にする方法 3—1. ランキング形式で学びを目に見える形に(3年生での実践) 3—2. 自分らしい表現形式で学びを目に見える形に(4年生での実践)

    1. 子どもたちにとって国語の学びをふりかえる場とは

    子どもたちが読んだこと・考えたこと・国語で学んだ言葉の力は目には見えない。目に見える形にするためには、言葉・描画・図などの方法が挙げられる。学びを目に見える形にする場がなければ、子どもたちの読んだこと・考えたこと・国語で学んだ言葉の力は子どもたちの頭の中のみに留まり、次の学びへとはつながってはいかない。しかし、学びを目に見える形にすることによって、子どもたちの学んだことが確かなものになっていくと考える。
    1年間の国語の学びを終えた後、「1年間の国語の学びをふりかえろう」と子どもたちへなげかける。この言葉を聞いたとき、子どもたちの頭の中には、

    • 「1年間の国語の授業で何を学んだのだろう?」
    • 「国語授業で何をしたのだろうか?」
    • 「どんなふうにふりかえればいいの?」

    といった「?」が溢れると予想される。ここで大事なのは、教師が「どのようなふりかえりの方法」を提示するのか、つまり「どのような目に見える形の方法」をデザインするかによって、ふりかえりに対する子どもたちの姿や意識は変わっていく。「一年間の国語の学びをふりかえる」と聞いて苦手意識をもつ子どももいることが想定される。しかし、ふりかえる場が子どもたちにとって、ワクワクするような場になってほしいと願う。本稿においては、「読むこと」を中心にした一年間の学びを目に見える形にする場の実践の一例を取り上げていく。

    2. 1年間のふりかえりに必要なスキル

    • ◇比較スキル◇ 
      「1年前の自分」と「今の自分」のノートや作品を見比べて、「何が書けるようになり」「何が読み取れるようになったか」を具体的に抽出する力
    • ◇構造化スキル◇ 
      バラバラに学んだこと(例えば「白いぼうし」「ごんぎつね」など)を「物語の読み方」といった大きな枠組みと結びつけて、共通する事柄を取り出す力
    • ◇表現・言語化スキル◇ 
      自分の抽象的な成長実感を「〜という方法を使って読む力がついた」など国語の用語を用いて具体的に言語化する力

    1年間の学びのふりかえりは、日々の学びの積み重ねである。子どもたちにとって日々の学びがいつでも手の届く位置にあるかどうかも大切である。そのためには、教師側が学んだことを目に見える形にすることや学びを記録するなどして環境を整えることも重要である。

    • ・1年間のノートを貼り合わせて、ロッカーなどに保管させる
    • ・日々の授業後の黒板を1人1台端末に保存し、いつでも見られる状態にする
    • ・単元ごとに行ったふりかえりをノートや1人1台端末に記録させる
    • ・学んだ国語の用語を掲示する

    3. 1年間の学びを目に見える形にする方法

    3—1. ランキング形式で学びを目に見える形に(3年生での実践)

    資料1 1年間の国語の勉強ベスト3 ワークシート

    3年生の「読むこと」の物語文教材に焦点化してふりかえりを行った。「自分が一番おもしろかった・心に残った勉強のベスト3を発表しよう」と子どもたちへなげかけた。ここで大事なのは、子どもたちの「選んだ理由」である。「選んだ理由」部分には、「◯◯が楽しかった・おもしろかった」だけではなく、「どんなことを勉強したか」「そのときの自分はどんな自分だったか」「つけた力(言葉の力)は何か」といった観点を子どもに示した。
    個人でランキングを作成した後、ペア・小集団での伝え合いの場を設定し、最後に全体共有を行った。

    資料2 ランキングの全体共有の場での板書

    全体の共有の場では、子どもたちから「何を学んだのか」「つけた言葉の力」「教材のおもしろポイント」を中心に意見交流が行われた。交流の中で、子どもたちは、各教材での学びをつなげる姿が見られた。以下、子どもたちの交流中の発言の一部である。

    • C「『ワニのおじいさんのたからもの』は結末がおもしろかった! 結局、たからものに気づかなかったところ。結末についてみんなで話し合ったのが心に残っています」
    • C「『サーカスのライオン』の結末を勉強しているとき、ジーンときた。だからすごく心に残っている」
    • C「なんか3年生の勉強って結末に注目して勉強した多くない?」
    • C「確かに。『モチモチの木』も結末に注目して話し合った」
    • C「結末に注目するのってこれから大事じゃない?!」

    理由を交流することにより、「何についての問いか」「問いによって何が明らかになりそうか」という見通しをもつことにもつながる。

    3—2. 自分らしい表現形式で学びを目に見える形に(4年生での実践)

    4年生の子どもたちに「1年間の国語の学びをまとめようと思うけど、どんなまとめ方があるかな? それを見た人がわくわくするようなまとめ方がいいな……」と尋ねた。つまり、まとめ方を子どもたちに委ねたのである。子どもたちからは「地図にみたいにまとめる」「絵とかも入れながらまとめた方がいいんじゃない?」「イメージマップみたいに広げたらいい!」など4年生で学んだまとめ方を思い出しながら多くの意見が出た。意見を交流した後「自分に一番ピッタリなまとめ方で国語の勉強をまとめよう」と子どもたちに伝えた。以下は子どもたちの成果物の一部である。

    資料3 児童A 「地図形式」
    資料4 児童B 「テーマ別形式」

    また、まとめるだけでは個の学びのふりかえりに留まってしまう。より学びを確かなものにするために、まとめたものを活用し、「1年間の国語の学びスピーチ」の場を設定した。つまり、【個の学びを視覚化する場を設定する → 伝え合う場を設定することにより確かな学びへ】というねらいである。下に示すのは児童Cの発表原稿である。


    資料 児童Cのスピーチ原稿

    今回は、ランキング形式と自分らしい表現形式でのふりかえりを取り上げた。大切なのは、目に見える形にすること自体が目的ではないことである。学んだことを目に見える形にすることでどんな国語の言葉の学びが表出され、さらには、次の学びへとどのようにつながっていくかが重要である。




    【参考文献】

    • ・白坂洋一、香月正登、小泉芳男 著(2026)『リフレクション型国語授業―学びの主体化する国語学習のサイクル』東洋館出版社
    • ・堀江祐爾、三木惠子、塩江理栄子 編著(2019)『深い学びに導く 国語科「物語教材」のノート指導』明治図書出版
    • ・山本茂喜 編著(2016)『魔法の「ストーリーマップ」で国語の授業づくり』東洋館出版社
    大西人詩先生

    大西人詩(おおにし・ひとし)

    大阪府・吹田市立南山田小学校

    全国大学国語教育学会/日本国語教育学会

    大西人詩先生の記事一覧はこちら
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