ミステリーを読む ―「友情のかべ新聞」(光村図書・4年)―
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執筆者: 櫛󠄁谷孝徳
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目次
「友情のかべ新聞」(光村図書・4年下)は、令和6年版より新たにラインナップされた物語です。作者は「名探偵夢水清志郎」「怪盗クイーン」などの人気シリーズを生み出した、はやみねかおるさん。「友情のかべ新聞」は、はやみねさんが教科書のために書き下ろした物語です。
物語は、「昔話」「民話」「ファンタジー」のようにいくつかの文種に分けることができます。では、「友情のかべ新聞」の文種はというと「ミステリー」です。殺人事件などが起こり、刑事や探偵がトリックを解明して犯人を見つける……。ミステリーには、このようなイメージがあるかもしれません。しかし、「友情のかべ新聞」の舞台は、子どもたちと同じく4年生の教室です。そこで、語り手の「ぼく」が、東君と西君の不自然な行動に着目して謎を解き明かす物語となっています。
さて、みなさん。「ミステリーを読む醍醐味は?」と聞かれたらどのように答えますか。私は「読者自身が作者の散りばめた伏線に気づき、それを回収して謎を解き明かすこと」にあると考えています。そのときの喜びといったら、言葉では言い尽くせないほどですよね(もちろん、作者の方が一枚も二枚も上手で、自分の推理を超えた結末を迎えたときの衝撃もミステリーの魅力です)。子どもたちにも、ぜひその感動を味わってほしいと思うのです。
しかし、先生方から「友情のかべ新聞」の授業が難しい……という声をよく聞きます。その原因の1つは、語り手である「ぼく」が最終的にすべての謎を解き明かしてしまうからではないでしょうか。1回きりの読書なら何ら問題はありません。しかし、教科書の物語は、教室に集う仲間と共に数時間をかけて読んでいくのです。すべての謎がわかった子どもはどのように感じるでしょうか。もう一度読んでみたいと思うでしょうか。自分の読みを伝えたいと感じるでしょうか。だから、どう授業をすればいいのかわからない……。
先生方のそのような悩みにお答えします。
