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    「かかわり合う姿とは」を考える一冊

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    「かかわり合う姿とは」を考える一冊

    「かかわり合う姿とは」を考える一冊

    執筆者: 佐藤友香

    |

    2026年4月30日

    書名:「かかわり言葉」でつなぐ学級づくり
    著者名:青山由紀
    出版社:東洋館出版社
    出版年:2019年
    ページ数:160

    子ども同士のかかわりが希薄になっていると感じることはありませんか。かかわり合うことは、時にトラブルにもつながりますが、それを好機として言葉を介してつながり合う経験を得ることで、子どもたちは他者とかかわるためのスキルを獲得し、人生を豊かにしていくことができます。
    今回は、各章における印象的な著者の言葉を引用しながら紹介していただきました。

    目次

    はじめに 第1章 規律を育てる―学習規律、基本的な生活習慣を育てる 第2章 子どもと子どもをつなぐ―自分の言葉で語らせる 第3章 チームで育てる―保護者・学年団・学校全体で おわりに 併せて読みたい本

    はじめに

    ICTを活用した教育が主流となり、一人1台のタブレットによる教育が保障されるようになった。
    電子書籍も自由に読めるようになり、休み時間ですら黙々とタブレットに向かう子供たちの姿がある。
    ICT機器による享受はありがたいが、希薄になってきた人間関係にますます拍車がかかってきたと危機感も覚える。
    うまく言葉で伝え合うことができない故のトラブル、かかわり合い方が分からないが故のトラブルの処理に追われることはないだろうか。
    当人同士や周囲の子どもたちがかかわり合うことでトラブルを回避できたり、さらに理解を深めるきっかけとなったりするのではないか。
    具体的な教育場面や学年に応じたかかわり合いを大切にした学習支援のポイントがぎゅっと詰まった本書。
    経験年数を積んでもなかなか納得できる学級づくりができない私にとっても、悩み多き若手や中堅の先生にとっても必読書となる一冊である。

    第1章 規律を育てる―学習規律、基本的な生活習慣を育てる

    • 言葉を大切にする学級をつくりたいと思ったら、子どもたちに自分のことを、自分の言葉で言えるように指導していくことが肝心だと考えています。

     「言葉」を介して、学習規律や基本的な生活習慣を培っていく。
    例えば忘れ物をしたとき、黙っていても大人が察して手を差し伸べると、子どもは失敗に対して何がよくなかったのか、失敗をどう乗り越えたらよいのかを考えなくなる。
    そこで、徐々にあるいはその子に応じた段階は必要だが、

    • ①先生、何々を忘れました。→報告
    • ②ごめんなさい。→礼儀
    • ③次はこうします。→対処法、約束

    の『困った時の三点セット』」が低学年のうちに言えるようになることで、中学年以降「誰かに借りればいいや」「忘れたけど何か?」がまずいことに気付いたり、失敗した時の対処法につながったりするのである。


    第2章 子どもと子どもをつなぐ―自分の言葉で語らせる

    • 世の中を生きていくのに、自分の思いどおりにばかりはならない。では、ほかの人の言うことをいつでも全部受け入れてもいられない。どこかで我慢しきれなくなる。他者と交渉することが不可欠です。高学年にはそういう折り合いの付け方を学ばせます。

    物事を先生の鶴の一声で決めていると、折り合いの付け方が分からない子が育ってしまう。
    揉めるときこそチャンスとばかりにお互いに主張だけさせるのではなく、先生が交通整理役となる。
    「男子の言っていることで、なるほどと納得できるところはある?」や「女子の意見でこれはわかるというところはある?」と聞いてみる。
    これにはコツがあり、精神的に進んでいる発達段階の女子から聞くとどこか妥協点や譲歩できるところを見つけようとしてくれる。

    なるほど、高学年をうまくまとめる先生はこのように耳を傾け、子どもたちの意見を引き出していくのだなと感心しながら読んだ部分である。

    第3章 チームで育てる―保護者・学年団・学校全体で

    •  面談で「初めて状況を知りました」とならないために、忘れ物の状況がどうなのか、ルーティンワークがちゃんとできているのか、保護者が本人に聞き取らなくてもわかるすべを学校でつくっておきます。「説明責任」という言葉がありますが、説明責任は、何か起きた時に申しひらきをすることだけではなく、子どもの普段の取組についてもそれ自体が説明となるような活動を仕組んでおくことも必要だと思っています。

    「連絡帳の赤い字は忘れ物をしたときに書く」「漢字ドリルの青ペンは提出すべき日に提出しておらず何日分かまとめて出したときに使う」など、仕掛けを仕込み、あらかじめ伝えておくことで、日頃の様子が保護者に伝わるのである。
    気付いたときに話し合って、具体的な方策を取り始めれば、効果の有無についての話から始められる。
    私たち自身の積極的なかかわり方で、短時間の面談が少しでも有意義なものになるのではないか。

    おわりに

    無理なく、しかも的を得た愛情たっぷりのアプローチで子どもたちのコミュニケーション力を鍛え、関係づくりを深めることができる。こんな素敵なことはない。
    普遍的な教育書としてこの本を携えておきたいと思う。

    併せて読みたい本

    • 大村はま『灯し続けることば』小学館、2004年  
    • 灰谷健次郎『兎の眼』角川文庫、1974年
    佐藤友香先生

    佐藤友香(さとう‧ゆか)

    東京都・中央区立晴海西小学校教諭

    葦の会所属

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