想像力スイッチを使って、何を読む ―5年「想像力のスイッチを入れよう」―
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執筆者: 仲野和義
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単元名:想像力のスイッチを入れよう
教材:「想像力のスイッチを入れよう」(光村図書・5年)
本教材「想像力のスイッチを入れよう」は、情報をそのまま受け取らず、見えない部分を想像することの大切さを説く文章です。伝えられていない背景や他の立場からの見方を想像することが大切となります。
今回は仲野和義先生(大阪府・富田林市立向陽台小学校)に、情報を正しく読み取り、批判的に考える力を育てる授業づくりについてご提案いただきました。情報の受け手としての意識を養い、また社会科や情報リテラシーの知識とも関連づけることで、批判的な視点をもてるようにします。
目次
現代の子どもたちは多様なメディアから多様な情報を得ている。残念ながらフェイクニュースのように正確ではない情報が氾濫している現状である。このような時代だからこそ、子どもたちが主体的に情報を読み取り、批判的に考え、正しい観点で情報を捉える力を育むことが必要となっている。
この単元では、単元目標である「事例と意見の関係をおさえる」という国語としての読みと同時に、正しい情報を読み取るというメディアリテラシーとしての読みの両面から学習を進めていく。また、情報を発信することに関する情報のバランスについては、4年生教材の「アップとルーズで伝える」で扱った「情報の切り取り方による印象の違い」を導入に位置づけ、既習内容を復習したうえで新しい学びへと接続した。
加えて、社会科との関連性も高いために同時期に情報の発信に関する単元を並行して学習した。社会科では放送産業の仕組みや役割を学び、国語科では「想像力スイッチ」を活用しながら筆者の主張を読み解いた。特に「Aさんを報道被害者にした犯人は誰か」という問いかけにより、送り手・受け手の双方の責任を考える契機を設けた。
また、日本ファクトチェックセンターの資料を活用し、実際の情報を題材としたファクトチェックの練習を行った。最終的に、子どもたちはグループで役割を分担し、情報収集・編集・取材・収録・編集を経てニュース番組を制作・発表した。
